2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス実験住宅における無侵襲歩行活動収集システムとヘルスケアへの応用
Project/Area Number |
22500500
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
太田 裕治 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50203807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元岡 展久 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (60329646)
塚田 浩二 お茶の水女子大学, お茶大アカデミック・プロダクション, 特任助教 (20415714)
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Keywords | 実験住宅 / 無侵襲計測 / ヘルスケア / 歩行 / 生活支援 |
Research Abstract |
高齢社会を迎えヘルスケアシステムが求められる.本研究ではユビキタスコンピューティング技術を実験住宅にインストールし,RealLife下で生体モニタリングを行うシステムを開発する.各種生体パラメータのうち歩行活動に着目し,建築躯体に加速度計を埋め込んだ空間を創出し,住居内を移動する際の床振動情報から歩行情報を収集する.昨年度までに,計27個の加速度センサを埋め込んだ居住空間を作成した.LabVIEWシステムにより,床面に埋め込まれた加速度センサから得られる歩行情報を集約・解析するとともに,必要データをユーザ用アプリケーション携帯情報端末(Android)に送信するシステムの基本的な設計ならびに導入を終えた.また,居住環境内の情報(温度,照度など)を計測収集し,かつ,照明制御などを行うシステムも導入した.床振動信号の収集に関しては,これまでの計測実験を通じて,振動信号にノイズが混入するケースが見られており,S/N向上の観点からノイズ信号の除去を実施する必要があると判断された.このシステムを利用することで,床振動の強度情報の分布を可視化するソフトウエアを構築した.これに基づき,生活行動の特徴や変化を把握する等,各種動線解析アプリケーションの開発が可能と考えられる.また,歩行活動に伴う床振動データに基づくエネルギ評価実験を実施した.すなわち,体幹上下加速度~踵踏み込み力~床振動は相関すると仮定し,床振動ピーク値からエネルギを推定する手法を検討した.具体的には,小型加速度計を被験者腰部に固定し,歩行に伴う腰部動作の加速度を計測した.同時に腫接地時の床面加速度を計測し比較した.次年度は最終年度として研究の取り纏めを行う計画である.すなわち,歩行バイオメカニクスに関する従来計測法との比較検証実験などをふまえ,ヘルスケア・アプリケーション開発を目指したさまざまな実験を展開する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
建築躯体に加速度センサを埋め込んだ空間を創出した.また,環境制御システムならびに計測ソフトウェアシステムを構築した.環境制御システムは携帯型デバイスによる室内環境の制御が可能である.計画通りに進んでいると判断され,最終年度は両システムをベースに,具体アプリケーションを指向した研究開発を重点的に進める.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発を進めている生体活動情報収集システムは汎用的なものであり,ひろく他の住環境例への応用展開が可能と考える.特段の変更点,問題点などは見られない.具体的には,メーカ,NPOなどとの協同の下,被災地における復興支援を目標に,ユビキタス居住環境の確立に向けた展開をはかる考えである.なお,本研究は極めて具体的な開発を指向し,その成果発表に関しては,産業財産権出願を鑑みた上で控えている.今後,メーカーなどと協同で,適切な出願を行う考えである.今秋の文部科学省情報ひろばにて研究展示を行うことを申し添えます.
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