2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500554
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Research Institution | Aichi Toho University |
Principal Investigator |
古市 久子 愛知東邦大学, 人間学部, 教授 (10031684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 晶 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (30353006)
松山 由美子 四天王寺大学短期大学部, 保育科, 准教授 (90322619)
内藤 真希 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (10449580)
田辺 昌吾 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (00512831)
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Keywords | 身体表現 / 双方向性 / 身体表現の教材作成 / 新しい身体教育方法 / ふれあい遊び / コミュニケーション / 2歳児の身体表現発展のプロセス / 幼児 |
Research Abstract |
研究目的:本研究は、幼児の身体表現力を豊かに育てるために、コミュニケーションの双方向性を活用した新しい教育方法を提案するものである。誰でも、どこでも、いつでも、気負いを感ぜず、実践できることが条件である。そのための現状調査と教材作成、社会に広めることが目的である。 研究成果:アンケート調査からは「保育者の援助」と「課題のある子ども」という二つの重要な因子を得た。インタビューからは日常保育でのやり取りの大事さというキイワードも得た。以上のことを総合して身体表現は「子どもの心を引き出す」ことにとらわれるのではなく、「子どもの身体による双方向的な対話体験」の方が、より豊かに表現でき、かつ楽しんで続けられるという仮説を裏付ける結果となった。23年度の成果は次のようである。 (1)幼児の身体表現の教材を具体的に作成し、実際にどのような効果があるのかを検証した。 ふれあい遊びを豊かにする要素を抽出して、それらを盛り込んだ新しい教材を作成した。 (2)作成した教材の活用は保育者の悩みの結果も考えながら、本研究の構成員が直接教材の指導を行うことで、課題の抽出を行った。豊かな動きは、幼児の身体表現を妨げている「恥かしさ」を取り除くことでもあるという仮説の検証も含んでおり、調査者自身が講座を行い効果を確認した。その結果は、日本発達心理学会において、「身体表現の発展のプロセス」の中で明らかにした。 (3)年齢における課題の抽出や集団の大きさを多様に変えて実験するという目的は、今年度は資料の少ない2歳児を対象にした親子の講習会、幼稚園2歳児クラスで行い資料に加えることができた。 (4)教材自身の質を検討する機会を得て、当初の予想を越えたデータを得ることができた。 24年度は、以上の結果を踏まえて、さらに教材作りを行い、研究計画通りに教科書を作成して、保育現場で実施されやすい方法を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
身体表現における(1)現状のアンケート調査の実施、分析と課題の抽出、(2)インタビュー、(3)3歳児以上の遊び現状の観察等の調査計画は予定通り行うことができた。幼児期の身体表現教育の現状をまとめることは遂行された。予想以上に進んだ点は、調査困難と考えていた2歳児とその母親の観察を行うことができたことである。これにより、今まで得にくかった乳幼児のデータが得られたばかりでなく、身体表現にとって大事な時期と、なすべきことを考える資料が得られたことである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の成果を広く一般に広め、より豊かな身体表現を一日でも早く行えるように、教科書を作り、大学等の養成機関、保育機関、保育者等々に知らせていくようにして、研究成果を現場で実践したい。
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