2011 Fiscal Year Annual Research Report
「感じる」を探る-スポーツにおける「わかる」と「できる」に着目して-
Project/Area Number |
22500564
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金谷 麻理子 筑波大学, 体育系, 准教授 (00284927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 素子 筑波大学, 体育系, 准教授 (80344878)
鍋山 隆弘 筑波大学, 体育系, 准教授 (40334057)
吹田 真士 筑波大学, 体育系, 助教 (60361325)
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Keywords | 感じる力 / 遠近体感能力 / 気配体感能力 / 付帯伸長能力 / 情況把握能力 / 自在即興能力 / 観察能力 / 道しるべ設定能力 |
Research Abstract |
平成23年度はこれまでの研究で明らかになったスポーツにおける「感じる」力(運動感覚能力)の多様性を踏まえ、各スポーツ種目における一流競技者および熟練指導者の運動生活史に着目し、その能力の特徴と形成プロセスについて検討した。またそこで明らかになった結果を踏まえて、特定のテーマを取り上げた実践事例に着目し、スポーツ運動学の立場からこの「感じる」力の各スポーツ種目における捉えられ方や実践場面における発生プロセスについて検討した。これに関連して、金谷は、体操競技の指導場面において、まだ誰も行ったことのない新しい技を指導した事例を取り上げ、その新しい技の開発を可能にした学習者の運動感覚能力を含む技能レディネスの診断方法について検討した。また、わが国における上位レベルにあるジュニア選手およびシニア選手の「感じる」カ(運動感覚能力)の獲得情況についても、前年度同様実地調査を実施した。平山は、「環界を感じ、その感覚を身体表現を通して見る者に感じさせる」という一連の作品制作活動を通して、ダンスにおける「感じる」力について検討した。また、ワークショップにおいて若手ダンサーに「感じる-感じさせる」という能力を指導した事例に基づいて、その能力の養成プロセスに関する情報を収集した。鍋山は、剣道において戦術達成力に着目し当自身の試合場面における攻防の状況を振り返ることによって「相手を感じる」力(カン)の特徴について検討した。吹田は、バドミントンにおけるトレーニング計画を立案するための選手の競技力を評価する方法に着目して、特定のレベルにある選手が競技力向上ために身につけなければならない能力の内容とトレーニング環境に応じたこの能力の育成方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災にともなう研究設備の破損および調査日程の変更等により、各研究分担者による調査・実験等の計画に一部遅れが生じた。このため、当初の計画にあった各スポーツ種目間での比較を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はこれまで各運動種目で収集された情報に基づいて、各スポーツ種目間の比較・考察を行い、各スポーツ種目における競技者ならびに指導者の主観情報に基づく「感じる力」の構造を明らかにしていく。
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Research Products
(2 results)