2011 Fiscal Year Annual Research Report
可変ブレーキを用いた下肢荷重トレーニング機器の開発
Project/Area Number |
22500574
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 佳記 大阪大学, 医学部附属病院, 技術職員 (00571829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 邦彦 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 教授 (10440950)
小柳 磨毅 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 教授 (20269848)
田中 則子 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 准教授 (20290380)
向井 公一 四条畷学園大学, リハビリテーション学部, 講師
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30335377)
|
Keywords | ER流体 / トレーニング機器 / 荷重トレーニング / closed kinetic chain / トレーニング科学 / 運動解析 |
Research Abstract |
1.本研究の目的 本研究の目的は、可変ブレーキを負荷器とした負荷量を柔軟に調整でき安全かつ汎用性の高い荷重トレーニング用の抵抗機器を開発し、荷重位での駆動力や制動力などの複合的な筋力トレーニングと評価を可能にすることある。平成22年度にトレーニング装置の試作機を完成した。本年度はパソコンによる抵抗値と速度制御のシステムを付加し、健常者の運動解析から本装置によるトレーニング動作が下肢関節に与える力学的影響を明らかにした。 2.研究の成果 1)パソコンによる抵抗および速度制御のシステム付加 本装置の抵抗値と速度のパソコン制御を可能にする専用のソフトを開発した。まず、抵抗値の制御が可能となり、パソコン制御下での等負荷での抵抗トレーニングが実施可能となった。さらに、運動中に装置に加わった速度、最大速度、最大速度到達時間、パワーなどのパラメータがソフトにより算出可能となった。このことから、荷重位での下肢の駆動力のトレーニングと定量的評価が可能となり、これまでにはなかったトレーニングと評価の方法が開発された。しかし、速度の制御は、下肢の力に対する制動力が不足するために運動を制御しきれなかった。 2)健常者を対象としたトレーニング動作の運動解析 本装置の等負荷モードにおいて、健常者の側方抵抗レッグリーチ動作における支持脚の運動解析を行った。本装置での運動は従来のゴムバンドを用いた抵抗装置による運動に比べて、運動の開始初期から股関節外転モーメントが高まり、最大値が有意に高値を示すとともに、仕事量も増大した。さらに、膝関節の外反モーメントの発生も抑制された。このことから、本装置を用いた側方抵抗レッグリーチ動作は、荷重位での動作に重要な股関節外転筋の活動を高め、また膝関節の外反モーメントを抑制しながら大腿四頭筋、大殿筋、腓腹筋などの抗重力筋を強化できるトレーニングであることが示唆された。以上の結果から、本装置でのトレーニングはこれまでにはないトレーニング効果が得られることが示唆され、本研究は荷重位での新たなトレーニング方法やその体系を確立することに寄与すると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パソコンによる速度の制御について、下肢の力に対する制動力が不足するために運動を制御しきれなかったため、制御方法について検討して装置の改変を行う必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の施設においても速度制御の方法について検討を行い、本年度中にパソコンによる速度制御を可能とし、健常者での運動解析へと進める。トレーニング装置が1台のみであるため、研究代表者の施設における実験の進行が遅れることを防ぐため、新たに試験用の装置を作成して研究分担者の施設に配置する。
|
Research Products
(5 results)