2011 Fiscal Year Annual Research Report
中高年の運動器不安定症(ロコモ)におけるプール内水中運動による健康の維持・増進
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22500581
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
赤嶺 卓哉 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (70175785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 信教 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (10171597)
田中 孝夫 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (60274867)
高田 大 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 助教 (40404545)
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Keywords | 運動器不安定症 / ロコモティブシンドローム / 腰痛疾患 / 変形性関節症 / 水中運動処方 / 運動療法 / 全身バランス能力 / 骨密度 |
Research Abstract |
【意義と重要性】近年、ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome;運動器不安定症)という概念が定着し、変形性関節症、腰痛症例などが該当し、急増している。我々はこれらの人々に対し、基礎的水中運動を重視した運動処方を、温水プールにおいて実施し、水中運動の効果について検討したい。多くの中高齢者に対する新水中運動処方法の確立をめざし、明るい社会づくりに貢献することは、重要と考えられる。【内容と成果】腰痛症例20名、関節症例19名(一部に重複例を含む)を対象として、・平成23年5月~11月にかけて、週約2回、1~2時間ずつの腰痛・関節症水中運動教室を実施した。内容は、医師によるロコモティブシンドロームに関する基礎教育と日常生活指導、スポーツ医・水泳指導者による水中運動処方である。前後に数回、身体体力測定、筋硬度計測、全身バランス能力測定、X線骨密度計測などを施行し、水中運動の運動器不安定症に与える効果について検討した。成果として、水中運動後では運動前に比し、肥満の軽減(体脂肪率など)、呼吸循環機能の改善(肺活量など)、体幹・上下肢の筋力・柔軟性の向上(背筋力など)、筋硬度の軽減(上腕二頭筋など)、全身バランス能力の向上(ファンクショナルリーチ試験)、骨密度の増強(第2~4腰椎対同性ピーク値比など)が、それぞれ統計学的に有意に認められた。なお、水中運動により全身バランス能力の向上が得られたことは、新知見である。以上の事から、水中運動処方の運動器不安定症例に対する有効性が、強く示唆された。【研究の展開】次年度も、ロコモティブシンドローム症例を主対象とした水中運動教室を実施し、改良を重ねた水中運動の及ぼす、運動器不安定症例の身体への影響などについて、引き続き考究したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動器不安定症(ロコモ)症例延べ89例に対し、2ヵ年度にわたり、実際にプール内水中運動を指導し、肥満の軽減、呼吸循環機能の改善、体幹・上下肢の筋力・柔軟性の向上、筋硬度の軽減、全身バランス能力の向上、骨密度の増強などの成果を収め、学会発表等も行い得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も、ロコモティブシンドローム症例を主対象とした水中運動教室を実施し、改良を重ねた水中運動の及ぼす、運動器不安定症例の身体への影響などについて、引き続き考究する。
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