2011 Fiscal Year Annual Research Report
うつ状態とクオリティ・オブ・ライフに関する運動・社会疫学研究
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22500646
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
畑山 知子 南山大学, 人文学部, 講師 (60432887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 教授 (80145193)
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Keywords | うつ状態 / クォリティ・オブ・ライフ / コホート研究 / 社会経済的要因 / 地域在住高齢者 / 職域 / 身体活動 |
Research Abstract |
本研究は、地域および職域コホートにおいて、うつ状態の発現および生活満足度や幸福感などQuality of life (QOL)指標の変化を観察し、これらを予測する因子について、疾患などの身体的健康状態、健康行動、心理的要因に加えて、社会経済的要因をも含めたモデルにおいて検討し明らかにすることを目的とする。本年度は、地域在住高齢者を対象とした地域コホートにおいて、昨年度までに得られたデータから横断的解析を実施するとともに、縦断的検討のための追跡調査を実施した。全対象の追跡調査は来年度まで継続実施の予定であり、今年度は追跡対象者のうち約55%からデータを得ることができた。職域コホートについてはベースラインのデータベース構築が完了した。地域高齢者コホートの横断的解析では、約12%がうつ症状を有しており、QOL(WHO/QOL26)の平均得点は3.52であった。等価所得や教育歴、首尾一貫感覚(SOC)、身体活動量の高値群においてQOLの得点は高値であった。所得や教育歴は直接的または健康行動やソーシャルサポート等の要因を介してQOLに影響すると考えられ、現在解析を進めている。また、身体活動量の予備解析において、地域、職域のいずれにおいても3METs未満の低強度活動の占める割合が多く、不活動を指標化するため、活動量をより詳細に定量化するプログラムによる解析を進めている。詳細な活動量の定量化により、QOLおよびうつ状態への身体活動の質(強度)の影響についても検討を加えることが可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
職域コホートにおけるベースラインデータベースの構築が今年度にずれ込み、さらに、先方の都合により今年度追跡調査対象者に対し調査が実施できなかった。そのため、職域の解析や縦断的データの収集に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度実施できなかった職域の追跡調査については、平成24年度に実施することで先方と合意している。平成24年度は引き続き地域および職域における追跡調査を実施するとともに、アウトカム指標の変化を観察し、その要因について検討を行う予定である。
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