2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療従事者の職場における活性・再生を目指したメンタルヘルス対策に関する検討
Project/Area Number |
22500648
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
豊増 功次 久留米大学, 健康・スポーツ科学センター, 教授 (50172218)
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Keywords | 医療従事者 / 仕事ストレス / 子育て労働支援 / 過重労働 / メンタルヘルス対策 |
Research Abstract |
1. 育児休業明け復職後約1ヵ月経過時に独自の記名自記式の質問紙及び労働意欲を評価するWork Engagement Scale日本語短縮版(以下UWES)と職業性ストレス簡易調査票(以下BJSQ)による調査を行った。その結果、看護師では、家族の理解や支援のほか職場の理解や勤務時間・体制が仕事と育児の両立を支える要因であった。女性医師では20名からの回答が得られた。その結果、労働内容の改善、マンパワー、子どもを預けられる場所が望まれる職場のサポートという回答結果であった。子育て中の仕事のコントロール度は低く、疲労感や不安感は強かった。以上から個人へのメンタルヘルスケアのほか、働きやすい職場づくりや職場の健康教育が必要と考えられた。今後、その関連要因と仕事ストレスとの関係を縦断的に明らかにしたい。 2. 大学病院勤務の男性看護師および女性看護師を対象に基本属性、労働状況(役職の有無、年数BJSQ、UWESなど)および男性看護師に対するイメージや期待する役割などを含む質問紙調査を行った。その結果、男性看護師32名と女性看護師445名から回答が得られた。今後、この得られた結果を目的変数として男性群と女性群の2群間での各要因の比較を行いたい。 3. 炭酸泉浴群15名と対照の温水浴群5名で比較検討した。その結果、炭酸泉浴群では血圧・脈拍の低下のほか、POMST得点やストレスホルモンの指標とした唾液中のCgA濃度が減少傾向を示し、炭酸泉浴によるリラクゼーション効果が示唆された。 4. 医療従事者の仕事ストレスによる睡眠障害と動脈硬化の関係について、先行研究として学生20名に対し質問紙調査と血液検査を行った。その結果、睡眠障害のある学生では、血液検査から求めたアデイポネクチンやグレリン、レプチンの異常が見られ動脈硬化との関係が示唆された。
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