2011 Fiscal Year Annual Research Report
医療従事者の職場における活性・再生を目指したメンタルヘルス対策に関する検討
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22500648
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
豊増 功次 久留米大学, 健康・スポーツ科学センター, 教授 (50172218)
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Keywords | 医療従事者 / 仕事ストレス / 余暇活動 / 子育て労働支援 / 健康障害(冷え症) / 自律神経機能評価 |
Research Abstract |
1.仕事ストレスに対するストレスマネージメントとしての余暇活動の意義を明らかにするために、研修医60名を対象に就職後約3ヵ月時に独自の質問紙と労働意欲を評価するワークエンゲージメントスケール(UWES)及び職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)及び余暇活動を表すリカバリー経験尺度(REQ)による調査を行った。その結果、1年目に比べて2年目では仕事ストレスは軽減し、抑うつや不安感も改善した。仕事のことを忘れる、リラックスするの余暇の過ごし方と仕事のコントロール度とは負の相関関係が見られ、研修医特有の結果と考えられた。今後、症例数を増やすとともに他職種との比較も加えて更に検討したい。 2.育児労働者の復職後のメンタルヘルスについて明らかにするために、大学病院勤務の女性医師に復職後約1ヶ月目に独自の質問紙及びUWESとBJSQのアンケート調査を行った。 その結果、20名から回答が得られ、19名は育児をしながら働く不安があると感じていた。 労働意欲も高く、仕事をコントロールし仕事・生活の満足度も高かった。仕事と育児の両立を支える要因としては、職場の理解・支援がある、勤務時間・体制と保育所の時間帯や有効利用などであった。以上から不安のない働きやすい職場づくり、職場の健康教育、本人へのメンタルヘルスケアの充実・強化が重要と考えられた。 3.仕事ストレスによってもたらされる健康障害の一つである冷え症について関連要因を明らかにするために、女子学生を対象に先行研究を行った。その結果、19名から属性と生活習慣やストレス度及び冷えを客観的に評価できる質問紙調査と体温とサーモグラフィーによる皮膚温測定、血計・一般生化学などの血液検査、加速度脈波測定システムアルテット(C)による自律神経機能評価から研究結果(データ)が得られた。今後は、研究データを解析し、問題点を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ただし、心の健康問題により休業した医療従事者の職場復帰後のメンタルヘルスの検討については、症例数が少なく次年度も症例数を増やし、検討を重ねていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に実施・遂行した研究から得られた結果を解析し、エビデンスに基づいて明らかにしたい。さらには最終年度の研究計画に基づいて研究を進めていきたい。
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