2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規肥満モデルが血圧上昇をきたすメカニズムの解明と高血圧の予防・治療への応用
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22500656
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 俊 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30282362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 哲郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20111370)
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
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Keywords | 生活習慣病 / 高血圧 / 肥満 / レプチン |
Research Abstract |
これまでに申請者らは、酸化ストレス応答に関する研究の中から、sequestosome1/A170(以下SQSTM1とする)という遺伝子を発見した。その生理的機能を明らかにするために、全身の遺伝子欠損(KO)マウスを作製したところ、SQSTM1-KOマウスは、摂食抑制因子レプチンのシグナル伝達異常によって過食となり、これにより肥満・2型糖尿病・高血圧といったメタボリックシンドローム様病態を呈することを明らかにしてきた 中枢におけるSQSTM1の重要性を明らかにするため、コンディショナルノックアウトマウス(SQSTM1^<flox/flox>)の作製を進めてきた。この組織特異的ノックアウトマウスを作製することに成功し、これを中枢神経特異的に発現するNestin遺伝子のプロモーターを利用したNestin-Creトランスジェニックマウスと交配し、脳特異的にSQSTM1を欠損したマウスを得た。現在、このマウスの病態解析(摂餌量の変化、体重増加、耐糖能)を昨年と同様に行っている。 これまでの知見からは、脳特異的なSQSTM1 KOマウスも全身KOマウスと同様に過食・肥満・血圧上昇となる表現型を示すことを予想していた。現在、同マウスの過食・肥満・血圧上昇の病態を解析中である。現在まで得られているプレリミナリーの結果からは、脳特異的SQSTM1 KOマウスも全身性KOと同様に、過食・肥満を呈するデータが得られて来つつある。このことは、SQSTM1は全身での作用よりも、中枢において摂食行動に関与する重要な分子であることを示唆している。 血圧上昇については、現在実験器具の調達を行っており、これらが準備できた後に測定を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コンディッショナルノックアウトマウスとCreマウスを掛け合わせた際に、実際の繁殖数が予想より少なかったため、必要検体数を得るのに時間を要したため。 震災後の研究施設の混乱のため、動物実験を一時的に縮小しなければならなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
予想以上に中枢特異的SQSTM1ノックアウトマウスの準備に時間がかかったため、その表現型を確実に把握するために、経時的な体重推移を検討して肥満の有無をするとともに、血圧動態に及ぼす影響・交感神経系の活性化の有無・腎Na再吸収等につき、明らかにする。電気生理学的検討は、このマウスの表現型を明らかにしてから行う。
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Research Products
(3 results)