2011 Fiscal Year Annual Research Report
食事調査のための食物・栄養データベース構築に関する研究
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22500759
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
伊達 ちぐさ 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60047389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 充 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40173322)
新田 陽子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (70403318)
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Keywords | 食事調査 / データベース / 食品の調理変化 / レシピデータ / ポーションサイズ |
Research Abstract |
野菜妙めの調理操作による食材(生)の重量変化率(加熱終了後20分時点)は、単品調理ではにんじん:71~78%、キャベツ:78~89%、ピーマン:86~90%、豚肉:72~78%と調理により重量が減少することが示された。複数食材を組み合わせると、(豚肉50g+にんじん100g)で71~76%、(豚肉50g+ピーマン100g)で82~85%に減少した。単品調理による重量変化率から複数食材を用いた野菜妙めの重量変化率を算出すると、複数食材を実際に調理した時の重量変化率より若干重量変化率は大きかったが、実測値と計算値に有意差は認められなかった。煮物では、かぼちゃの煮物は4人分102~108%、2人分で110~113%と調味料と水を入れて加熱したため、煮物としての重量は生重量よりやや増加した。肉じゃがでは、かぼちゃと同様調味料と水を加えて加熱したが、過熱時間がかぼちゃより長くかかるため、4人分で92%、2人分で89%と減少した。肉じゃがの食材を単品で煮た時の重量変化率を利用して肉じゃがの料理としての重量変化率を算出して実測値と比較すると、両方法の重量変化率に大差は認められなかった。これらの結果から、妙め物、煮物では、単一の食材の重量変化率を利用して複数の食材を用いた料理の重量変化率を推定できる可能性が示された。 料理の体積測定は、(1)料理を食器に盛り付けた状態で赤外線を利用して3D測定器により料理の体積を描出する方法、(2)食器に盛り付けた状態で撮影した画像から体積測定システムを利用して体積を推定する方法、(3)料理を食器から計量カップに移し、表面をならした状態で目盛りを読む簡易法、の3法を検討した。それぞれ短所と長所があるが、(2)の方法が精度と共に実用性も高いと考えられた。しかし、体積測定システムの操作が測定値に影響を及ぼすので、測定者の訓練方法の確立が急務であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
料理の体積を推定する方法の目途はついたが、まだ測定者の訓練方法が確定していない。しかし、訓練方法が決定されれば、調理実験はおおむね順調に進めることが可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
画像から体積測定システムを利用して料理の体積を測定する者の訓練方法を決定すれば、その後は一般の日本人が家庭で食べる料理で出現頻度が高い料理を選定し、順次調理して重量と体積のデータを蓄積することができる。
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