2011 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛・ビタミンE,Cの複合摂取による血圧上昇及び血管肥厚抑制効果
Project/Area Number |
22500786
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
瀬口 春道 神戸女子大学, 健康福祉学部, 教授 (90030866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 伸公 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (10234569)
橋本 弘子 大阪成蹊短期大学, 総合生活学科, 講師 (80360262)
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Keywords | 亜鉛 / ビタミンE / ビタミンC / 腎性高血圧 / 血管肥厚 / アンギオテンシンII / NO / ラット |
Research Abstract |
抗酸化物質である亜鉛(Zn)とビタミンE、Cの相互作用が血管へのストレス軽減にどう関与するか、高血圧モデルラットの飼料にこれらの抗酸化物質を添加し、血圧、血管、angiotensin II(Ang II)などに及ぼす影響を検討した。 「方法」6週齢のSD系雄ラットを用い、麻酔下にて左腎動脈に内径0.245mmのシルバークリップを装着し、腎血管性高血圧ラット(2KIC)を作成しました。対照群には手術のみを行い、SHAM群を作成した。 血圧が上昇した10週齢より、AIN-93M飼料をコントロール食(C)として、これに亜鉛2mg/kgを混合したZn単独群(Zn)、亜鉛とビタミンE100mg/kg(VE)、ビタミンC200mg/kg(VC)を混合した3種混合食群(ZV)群を作成し、6週間自由摂取させ、対照群にはコントロール食を与えた。投与期間中、血圧測定を行い、投与終了の16週齢時に血液採取後、腹部大動脈を用いてmagnus法にてacetyl-choline(ach)及びsodium nitroprussid(SNP)による血管弛緩反応の観察を行った。胸部大動脈を摘出しHE、EvG、アルシアンブルー染色にて組織観察を行った。また血漿中のAng II、NO、IL-6の測定を行った。 「結果」血圧は、対照群に比べ、高血圧群、Zn単独群、3種混合群では低下した。血管弛緩反応では、3種混合群において血管拡張性の改善がみられたのは、NO濃度の上昇と関連しているものと考える。中膜の肥厚は、AngIIの上昇と関係があり、3種混合投与により両者の低下がみられた。H_2O_2、SODに差はみられなかった。亜鉛、ビタミンE、Cの3種複合投与により腎血管性高血圧ラットの血圧上昇が抑制された。これにはAng IIによる血管壁の肥厚の抑制と、NOによる血管拡張性の回復が関与していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎性高血圧症ラットを用いて亜鉛・ビタミンE、Cの複合投与により、血圧の変化、動脈血管壁の肥厚にどのような影響を与えるかを検索した所、血圧上昇は有意に抑えられ、また血管壁の肥厚は、上記の3種混合投与により、抑制されていた。また今年度の研究の結果、血管拡張性の改善はNO濃度の上昇と関連しており、血管中膜の肥厚はアンギオテンシンIIの上昇と関連していることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験により、 1.亜鉛・ビタミンE,Cの3種投与で低下し、血管弛緩拡張したのは、NO濃度の上昇であることが分かった。 2.血管中膜の肥厚はアンジオテンシンIIの上昇と関連していると考えられ、アセチルコリンは血管内皮細胞の弛緩に関連し、今回の実験で3種投与では低下し、血管弛緩の低下が改善していた。このメカニズムとNO,アンジオテンシンおよびIL-6との関連を解明して行きたい。
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Research Products
(4 results)