2011 Fiscal Year Annual Research Report
Wiiリモコンを加速度センサーとして利用した体験的力学学習システム
Project/Area Number |
22500829
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
徐 丙鉄 近畿大学, 工学部, 准教授 (30196993)
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Keywords | 物理教育 / 学習理論 / 有意味学習 / 体験的学習 / Wiiリモコン |
Research Abstract |
本年度はまず,物理教育の改善のためには,物理教員がどのような学習観を持ち教育に携わっているかが重要であると判断し,学習とは何かを認知心理学における学習理論の変遷をベースに確認した。その上で,力学教育において「Wiiリモコンを活用した授業」の学習理論的意義について検討した。また,L.McDemottらによる,直接的な経験か観察をもとに,その題材の定性的な理解を発達させることから始めることで,概念的理解を促進し,機能的理解に至るという指摘に基づき「Wiiリモコンを活用した授業シナリオ」を再検討した。 ・~7月: 学習理論の調査と授業シナリオの制作 ・8月: サーバーの機種を選定し,サーバー導入計画制作 ・2011年10月: サーバーを購入して,まずWebサーバーを立ち上げて,Wiiリモコンソフトと授業シナリオを公開する準備を整えた。 ・2011年11月: 応用物理教育分科会主催の第22回物理教育に関するシンポジウムにおいて「ピア・インストラクションを導入した講義・実験一体型授業シナリオ」と題して,これまでの物理教育の問題点を指摘し,学習理論の認識の重要性を解き,新たな講義と実験を一体化した授業形態を提案した。また,そのような学習シナリオを発表した。 ・2011年12月: 大学ICT推進協議会で「WiiリモコンやAndroid Tabletのセンサーを活用した物理教育」と題し,学習理論に基づく学習観とそれを踏まえた授業シナリオの重要性を指摘した。そのような物理教育での事例として,本研究の授業シナリオとソフトを紹介した。 ・2012年3月: これまでの成果をまとめた論文を執筆中で「応用物理教育」に投稿予定である。また,次年度に構築予定の物理教員用Webシステムの機能を検討しオープンソース・ソフトウェアの選定を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Whリモコンを加速度センサーとして利用するためのアプリケーションの開発は計画通り進展している。また,授業シナリオの制作もおおむね順調である。しかし,当初の計画ではサーバーの導入と設定を8月~9月を予定していたが,サーバー購入が2011年10月下旬となり,アプリケーションと授業シナリオの公開と共有のためのサーバーの公開が遅れている。また,サーバーに載せるWebアプリケーションの選定と運用テストにも手間取っている。先ずはWebサーバーとして運用を開始し,その後共有のためのWebアプリケーションの導入へとすすめることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は,Wii加速度メーター・ソフトとそれを活用した体験的力学授業シナリオをWebに公開する。また,授業シナリオと物理教材コンテンツの共有と意見交換の場をWeb上に構築する。また,ブログ,e-Leamingシステム,SNS,動画配信システム等を組み合わせて,物理教員用のWebシステムの構築を実施する。 また,加速度センサー・磁気センサー・照度センサーを搭載したスマートフォンやtabletの普及が著しいので,それらのセンサーを活用した体験的な力学学習ソフトの開発にもチャレンジする、そして,本研究成果の広報を目的に,研究会で成果発表をする。
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Research Products
(2 results)