2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500874
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
若林 文高 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究主幹 (30158589)
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Keywords | 分光学 / 簡易分光器 / 科学教育 / 教材開発 |
Research Abstract |
DVD分光器は身の回りのものだけでできる教育用簡易分光器である。簡単なものであるがNa D線(0.6nm)を2本に分離して観測できる分解能を持つ。スペクトル写真の撮影には、これまでコンパクトデジカメを使用してきたが、今年度は、より安価で最近普及してきているWEBカメラの利用を検討した。その結果、千円~数千円程度の低価格のものでも、比較的高画質のスペクトル画像が得られ、撮影した画像をそのまま液晶プロジェクターで投影したり、データを表計算ソフトなどで直接解析したりすることが可能なので、演示用・教育用に適していることがわかった。また、得られたスペクトル画像の解析では、これまで波長校正などを表計算ソフトを使って手作業で行ってきたが、表計算ソフトの解析機能を利用して、より自動化できるように検討した。これまでの所、波長基準となるピーク位置を入力すれば、そのあとは自動的に直線近似および3次関数曲線近似で波長校正をしてスペクトルチャートを作図できるようにした。以上のことにより、ノートPCとWEBカメラがあれば、極めて簡易に可視スペクトルのスペクトルチャートが得られるようになった。また、最近普及しつつあるLED電球、LED懐中電灯などのスペクトルを測定し、これまでの照明光との比較をした。また、本システムを用いることにより、生徒実験などで合成したフルオレセインの蛍光を感度良く測定できることを示した。このような合成と組み合わせて一連の生徒実験を組むことができる。
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