2012 Fiscal Year Annual Research Report
広域オキシダント汚染における同位体化学を用いた発生起源別寄与解析
Project/Area Number |
22510024
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Research Institution | Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
楢崎 幸範 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (00446866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱村 研吾 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (00446874)
力 寿雄 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (40446860)
山本 重一 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (60446862)
天野 光 (財)日本分析センター, その他部局等, 研究員 (80354851)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 越境大気汚染 / オキシダント / 硫酸塩 / 浮遊粒子状物質 / 黒色炭素 / PM2.5 / 安定同位体比 / 同位体分析 |
Research Abstract |
九州など西日本を中心に微小粒子状物質(PM2.5)がたびたび高濃度で観測されている。春季は大陸からの黄砂が飛来し,これが上乗せされるのでPM2.5濃度は一段と高くなる。この時期には大気汚染物質も中国大陸から北部九州へ移流しやすい。特に移動性高気圧が東シナ海上に中心を持つ場合には,高濃度の大気汚染物質が観測される頻度が高いことも判明した。 なかでも2012年5月7日,福岡県はオキシダント濃度が環境基準を超えたとして光化学オキシダント注意報を3年ぶりに発令し,健康影響の観点から外出の自粛を呼びかけた。この日の福岡県内のオキシダントの最高濃度は大気環境基準(1時間値60ppb)の2.1倍に当たる126ppbであった。5月7日の天気図によると移動性高気圧の中心がまさに東シナ海上にあり,ゆっくりと東進していた。高気圧の北方辺縁部に吹く右回りの強い西風に乗って大気汚染物質が東方に運ばれ北部九州に達したものと推察された。 また,オキシダント高濃度日(80ppb以上が2時間以上続いた日)における流跡線解析による気流の特徴やPM2.5,浮遊粒子状物質(SPM),高濃度硫酸塩,黒色粒子及び金属粒子の共存を確認したことから,これらの事象は東アジア地域からの越境大気汚染の影響が主な原因であると結論づけた。 このほか,平成22~24年間を通じて,安定同位体比δ13C,δ15N,δ18O及びδ34Sの同位体分析を実施してきた。現在解析中の分析結果は今後,越境大気汚染物質の発生地域特定と詳細な移流経路の解明に寄与する成果となるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)