2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射線被曝影響解析に向けた線量付与の統計的モデルの構築
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22510055
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊達 広行 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 教授 (10197600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 香織 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (80344505)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 放射線被ばく影響 / 電子線トラック / 二本鎖切断 / 細胞生存率 / 放射線誘起バイスタンダー効果 / 免疫蛍光染色法 |
Research Abstract |
本研究は、生体細胞に照射した放射線の影響を、モンテカルロ法に基づく電子線やラジカル、生理活性物質の挙動に関するシミュレーションと、細胞への放射線照射後の細胞核損傷の観測(主として文献データ)の両者によって明らかにすることを目的としている。 本年度に行った主な内容と成果を以下に列挙する。 (a) 放射線誘起バイスタンダー効果のモデル構築とモンテカルロシミュレーションコードの作成を行ない、照射細胞から放出され伝搬するバイスタンダーシグナル(生理活性物質)と非照射細胞(バイスタンダー細胞)からの再放出シグナルの放出率を、シミュレーションと実測された結果との比較から定量した。シグナルの再放出確率にポアソン分布を仮定すると、細胞培養液中の細胞全体の損傷に関するシミュレーションと実測値の差が最も小さくなる条件を評価することができることを提示した。 (b) 放射線治療における腫瘍細胞への効果と正常組織へ損傷効果の両者を考慮し、正常組織の損傷を最小とする条件から、分割照射の適否を判定した。放射線照射された腫瘍細胞への効果と正常組織の損傷効果を、両者への線量を媒介変数としてグラフにプロットすることによって、その曲線から多分割照射と少分割照射のどちらの方法が適切かを判定できることが分かった。この曲線は、両者の被曝効果にLinear-Quadratic(LQ)モデルを仮定するとき、正常組織と腫瘍のα/βの比と正常組織への被曝線量の割合に依存することが明らかとなった。 (c) 細胞へ線量と細胞生存率の関係を表す新たなモデル式の妥当性を検討した。細胞核内に生じ、その後の化学的修復過程を経て残存する損傷の数によって細胞の致死確率が異なるとするモデル式内のパラメータについて、修復時間の効果を調べた結果、時間依存する実測データの傾向をうまく説明し得るものであることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)