2012 Fiscal Year Annual Research Report
産業副産物の有効利用による環境負荷低減型基質の開発
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22510086
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
末永 慶寛 香川大学, 工学部, 教授 (00284349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 稔 香川大学, 工学部, 准教授 (50264205)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境改善 / 多孔質基質 / 有用稚魚 / 生産力向上 / 安定不溶化 / 移動設置 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,粒径の大きな高炉徐冷スラグを骨材とした空隙率30%の多孔質基質を製造した.本基質は,水質・底質浄化および稚魚の初期減耗を抑制可能な「餌場」と「保護・育成場」の条件を同時に提供できることから,海域に設置した基質に有用魚種であるキジハタ稚魚を放流し,歩留まりを調査した.通常の岩礁帯への放流方法では,放流1カ月後の時点で,歩留まりは1%以下という現状に対して,本施設による歩留まりは,放流後1ヶ月を経過した時点で昨年度同様に10%強を確保できた.また,前年度から設置している基質の生物着生機能については,稚魚の餌料として利用される選好性餌料生物を計数した結果,基質設置後14ヶ月が経過して時点で,約29kg/m3の着生量が確認され,既存の着生基質と比較しても,本基質は,数倍~数十倍の餌料生物増殖機能を有することが検証された.これは,現在,加速して減少している水産資源生産力に歯止めをかけるために有効な技術となり得る.成果の一部は,有用稚魚保護・育成技術として実用化された. 多孔質体に天然無機素材(HAP)を混入した多孔質体を海底に設置し,底質浄化機能の評価を行った結果,前年度の淡水域における結果と同様に,底質中の鉄,銅,鉛,マンガン,カドミウム等の金属を70~90%吸着かつ安定不溶化できることを確認した.また,本多孔質基質を浮体施設に搭載し,移動設置可能な新規水質浄化施設を開発した.これは,既存のポーラスコンクリート,護岸材および河床材では実現が困難であった,浄化対象水域へ施設を移動設置できため,経済性に優れ,高度な環境改善技術となり得る.この点については,研究終了後も自治体との連携を強化しながら,機能の検証を継続する. 以上より,目的に応じた産業副産物の選定,水質・底質環境改善および生物資源生産力向上システムを構築できた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)