2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機質土を利用した海成層中重金属類の低コスト・低負荷型不溶化技術の開発
Project/Area Number |
22510095
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
石山 高 埼玉県環境科学国際センター, 土壌・地下水・地盤担当, 専門研究員 (80297621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, 土壌・地下水・地盤担当, 専門研究員 (70415397)
河村 清史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90109017)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境保全技術 / 土壌汚染 / 海成堆積物 / 不溶化技術 / 重金属類 / 低コスト・低負荷 |
Research Abstract |
硫化鉱物を含む海成堆積物は大気中で数ヶ月間放置されると酸性土壌へと変化し、そこから環境基準を上回る様々な有害重金属類が溶出することが知られている。本研究では、海成堆積物中有害重金属類の不溶化技術を開発する。具体的には、有機質土や貝殻等の天然素材を利用した低コスト・低負荷型不溶化技術を開発する。 前年度までに、海成堆積物からの重金属類の溶出特性について検討した。その結果、重金属類の溶出は土壌pHに大きく依存し、酸性領域や塩基性領域では多くの重金属類の溶出が認められた。土壌有機物も一部の重金属類に対しては溶出を促進する因子となることが判明したため、平成20年度では貝殻や消石灰などのアルカリ天然素材を海成堆積物に混ぜ込み、土壌pHを中性付近に制御する低コスト・低負荷型の不溶化手法について検討した。 貝殻や消石灰などを用いた中和処理により、ホウ素以外の重金属類(カドミウム、鉛、砒素、クロム、銅、ニッケル、亜鉛など)の溶出量は、未処理の海成堆積物に比べて1/10以下と大きく低下した。消石灰は、少量の添加で土壌が塩基性へと変化し、過剰量添加すると砒素やセレンの溶出をかえって促進する可能性が懸念された。これに対し、貝殻はアルカリ度が低いため、土壌pHを中性付近に調整することが容易であった。ラボレベルではあるが、中和処理した海成堆積物の長期安定性試験を実施した。具体的には、中和処理した海成堆積物を用いて、pH(KCl)やpH(H2O2)を測定するとともに、酸添加溶出試験I(希硫酸を使用する土壌溶出試験)で降雨の影響について検討した。その結果、廃酸溶液の漏洩等、人為的負荷がない限り、少なくとも処理後100年程度は有害重金属類を不溶化できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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