2012 Fiscal Year Annual Research Report
確率ボラティリティの影響を受けるフラクタルマーケットの研究
Project/Area Number |
22510161
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
成田 清正 神奈川大学, 工学部, 教授 (10211450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 晋 神奈川大学, 工学部, 教授 (60322533)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 確率ボラティリティ / フラクショナルブラウン運動 / ハースト指数 / ヨーロピアン・コールオプション / 急速と遅速のマルチスケール / ブラック・ショールズ方程式 / オルンシュタイン・ウーレンベック過程 / 特異摂動 |
Research Abstract |
ブラック・ショールズモデル(1973年)における金融市場の危険資産は古典的な標準ブラウン運動過程の揺らぎを用いて表され、金融リスクの程度を表す尺度(ボラティリティ)は定数として扱われている。しかし、実際の危険資産は、必ずしも直前の結果だけではなく、長期あるいは短期の過去の傾向からも影響を受け、ボラティリティは定数ではなく、時間と共に偶然推移する確率過程(確率ボラティリティ)から影響を受けている。本研究では、確率ボラティリティを構成する因子が、統計的な自己相似性と過去履歴への依存性を表すハースト指数(0と1の間の値)というパラメータによって特徴付けられるフラクショナルブラウン運動過程として定式化される場合に、オプションの価格付け問題を解いて、次のような成果を得た。1.オルンシュタイン・ウーレンベック過程には平均回帰性があり、長い時間後には不変測度を持つ。その平均回帰率がマルチスケール、すなわち、急速と遅速の両スケールでモデル化される場合に、任意のハースト指数から影響を受けるヨーロピアン・コールオプションの無裁定な価格関数の偏微分方程式を導出した。さらに、導出された偏微分方程式の解を漸近展開して、急速スケールに関する特異摂動と遅速スケールに関する正則摂動の解析手法により、無裁定な価格関数の主項と補正項を決定した。2.無裁定な価格関数の主項と補正項はブラック・ショールズ型の偏微分方程式を満たし、かつ新たに定義される効率的な定数ボラティリティと市場価値に係るリスクパラメータの組によって特徴付けられることを示した。3.学外の研究者を招いて研究の知見を確認するセミナーを行い、研究の成果を教育へ還元する講演会を5回開催し、産学連携でIT教材の開発にも協力し、研究と教育の双方向的なコラボレーションを高めた。4.研究成果を海外の英文論文1報(41頁)、国内学会の口頭発表12報に纏めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)