2010 Fiscal Year Annual Research Report
気象レーダネットワークシステムの船舶運航支援システムへの応用に関する研究
Project/Area Number |
22510178
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丹羽 量久 長崎大学, 大学教育機能開発センター, 教授 (90448499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
畑 耕治郎 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (50460986)
古賀 掲維 長崎大学, 大学教育機能開発センター, 准教授 (60284709)
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Keywords | 災害回避 / 海上交通 / 気象擾乱 / レーダーネットワーク / 船舶運航支援 |
Research Abstract |
本研究では,高性能気象レーダネットワークX-NETにより観測・予測された高精度の気象情報を利用して,沿岸域の船舶が局所的な豪雨,突風,落雷等を避けて安全に目的地に到達できるように,危険海域を回避する航行ルートを遺伝的アルゴリズム(GA)により探索し,対象船舶に通知するシステムに関する研究を行う. 最適航行ルートを探索するGAの諸手法を検討するにあたっては、実際に東京湾が強風域にあるときの気象データを用いる。独立行政法人防災科学技術研究所等の協力を得て,蓄積されているX-NETによる観測記録を調査し,2010年の台風14号が関東東方沖を通過したときの10月29日~30日を候補とした.この気象データは独立行政法人防災科学技術研究所所有の2台のレーダ(海老名と木更津)により観測・処理されたものである。実観測データに見受けられるような値の急変や欠落への対応については,今後の検討課題とした. 本研究で用いる気象データは,数値モデルを仮定して高度1,000mにおける観測・処理値から海上10mの値を求めたものである.気象データの精度向上は今後の課題であるが,東京海洋大学の協力により,練習船「汐路丸」を用いた東京湾内の海上気象の観測データを活用する試みについて検討できた. 探索された航行ルートの妥当性等の検証には「輻輳海域交通流シミュレータ」を活用する.これを用いて,上海の黄浦江(峡水路)に適用した場合の避航状況の分析,および東京湾南海域を取り上げた解析結果と実航跡記録による衝突危険度の差異分析を行い,同シミュレータの自動操船機能の向上を図った. 個々の船舶には,文字,音声,画像等を用いた情報配信が考えられるが,緊迫した状況を除けばできるだけ多くの情報を対象とするのが望ましい.電子海図への情報の重ね書き等,画像の活用が優れており,スマートフォンやWiFi通信による配信システムの可能性について調査した.
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