2011 Fiscal Year Annual Research Report
気象レーダネットワークシステムの船舶運航支援システムへの応用に関する研究
Project/Area Number |
22510178
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丹羽 量久 長崎大学, 情報メディア基盤センター, 教授 (90448499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
畑 耕治郎 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (50460986)
古賀 掲維 長崎大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (60284709)
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Keywords | 災害回避 / 海上交通 / 気象擾乱 / レーダーネットワーク / 船舶運航支援 |
Research Abstract |
本研究では,高性能気象レーダーネットワークX-NETにより観測・予測された高精度の気象情報を利用して,沿岸域の船舶が局所的な豪雨,突風,落雷等を避けて安全に目的地に到達できるように,危険海域を回避する航行ルートを探索し,対象船舶に通知するシステムに関する研究を行う. 本研究におけるさまざまな検討に利用している輻輳海域シミュレーションシステムの適用範囲を広げるため,避航操船アルゴリズムに海域特有の避航開始基準を設定するための正規化変数を導入するとともに,狭海域における大型船舶の避航ロジックを追加した.また,河川での航行の際に適用する基準等について検討した. AISの仕様では航行状況によって通信間隔が変化するため,東京湾のような輻輳海域では情報を通知するためのスロット予約を適切に行えない場合が生じる可能性がある.輻輳海域交通流シミュレータを使って東京湾南海域での航行シミュレーションを実施し,同シミュレータの自動航行システムにおける相手船の状況を更新する時間間隔をAISのプロトコルの通信間隔に合わせた場合と1秒間隔に固定した場合の影響について検討を行った.船舶のニアミス発生回数に着目すると両条件で違いがあるケースがあり,これは状況の更新間隔が航行ルート選定に影響を及ぼしていることを示している. 対象船舶の操縦性能に見合った情報を通知することができれば,加速・減速および操舵のタイミングを高い精度で通知することが可能となり,より安全性を高めることができる.通例では未公開となっている各船舶の操縦性能をAISデータから推定する手法について検討を行い,計算方法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
船種を考慮した船舶の安全性と海洋上の気象条件との関係を明確に示すデータがなく,何かしらの基準値を仮定する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
既存の輻輳海域交通流シミュレータの自動航行機能を用いて安全性の検証を行うとともに,同シミュレータの適用範囲の拡大および同機能の精度向上を目的として改良を継続しており,関連研究分野への応用が期待できる.
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