2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510195
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大塚 悟 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40194203)
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Keywords | 地震災害 / 宅地地盤 / ハザード評価 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本研究は中越及び中越沖地震の被災住宅の罹災証明データに基づいて,小千谷市,長岡市,柏崎市,刈羽村の住宅被害と地形・地質・地形分類などの地理情報との相関について分析するものであり,その成果に基づいて最終的に住宅の地震危険度評価モデルを構築する計画である.以下に今年度の成果を箇条書きにする. (1)中越地震の地震被災データをさらに収集し,ほぼ中越地域全域の市町村の罹災証明データを入手し,地理情報システム上に整理した.中越地域の住宅情報を用いると,住宅の地盤や地形などの各種属性に応じた住宅被災率を算出可能である.この方法は従来は被災データのみに着目して住宅被災モデルを構築するのに対して,無被害住宅をも含めた被災率を算出可能であり,より客観的な被災モデルを構築できる. (2)中越および中越沖地震における住宅被害に及ぼす影響分析を被災率に基づいて実施した.土地条件や地形,地質,地盤の揺れ易さ等の属性について分析した.最終的に震源からの地震動の距離減衰に着目して,振動の距離減衰式を用いた住宅被災率の算出モデルを構築した.得られた成果は土木学会論文集(地震工学)への掲載が決定している.次年度には住宅の建物年代を考慮した住宅の地震危険度の分析を行う予定であるが,他地域に適用可能なモデル構築の基礎情報が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地盤情報に着目した住宅の地震危険度評価に関する分析は順調に進んでおり,現在の研究成果を用いて危険度評価を実施することが可能である.次年度には住宅建物の影響を取り入れた分析を実施し,より現実的な危険度評価モデルを構築する計画である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い,次年度には住宅建物の構造要因の及ぼす危険度への影響について検討する,最終的には住宅に及ぼす地震動,地盤,地形,建物構造の諸要因を考慮した危険度評価モデルを構築してその精度を検証する計画である.
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