2012 Fiscal Year Annual Research Report
等電点無制限RFHR 2D PAGEによる原核生物翻訳系蛋白質の包括的解析
Project/Area Number |
22510210
|
Research Institution | 株式会社吉田生物研究所 |
Principal Investigator |
和田 明 株式会社吉田生物研究所(バイオ情報研究部門), バイオ情報研究部門, 部門長 (80025387)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 雅美 株式会社吉田生物研究所, バイオ情報研究部門, 研究員 (30512511)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 翻訳 / RFHR法 / プロテオミクス / 原核生物 / リボソーム / 100Sリボソーム |
Research Abstract |
1.前年度までにわれわれは、バクテリアには2種類の100Sリボソームが存在することを示した。一つはRMF蛋白によって形成される大腸菌の100Sであり,もう一つはlongHPF蛋白によって形成される黄色ブドウ球菌の100Sである。2.今年度は14種のバクテリアについて、100S形成を詳細に調べた。その結果6種類のγプロテオバクテリアはいずれも大腸菌と同じくRMFによって100Sを形成した。他方、乳酸菌、Themmus thermophilusを含むγ以外の8種類のバクテリアの100Sはいずれも黄色ブドウ球菌と同じくlongHPFによって形成された。 3.バクテリア全体に遍在するlongHPF遺伝子とγプロテオバクテリアにのみ存在するRMF遺伝子の分布から推測すると、バクテリアの世界には元来longHPF型100Sが成立しており、のちにβとγの共通祖先がαから分岐した時、longHPF遺伝子が短縮して100S形成能が失われた。そののちβとγが分岐した時、γのみがRMF遺伝子を新たに獲得し、100S形成を復活させたと考えられる。4.両者には100Sを形成する時期に大きな違いが見られた。RMF型はいずれも増殖の定常期に限って形成されるが、longHPF型はどの増殖段階にも100Sが観察された。5.100Sの安定性にも差が見られた。RMF型は比較的不安定でKdが10^<-7~8>Mであるが、longHPF型ははるかに安定で、Kdが二桁以上小さいことが判った。またこの安定性の違いがリボソームではなく100S形成因子の違いによってもたらされることが判った。6.本研究によってバクテリアの100Sの全貌に迫ることが出来た。また翻訳系蛋白の定量を通して、RFHR 2D PAGEが「蛋白量を決定できるプロテオミクス」のツールとして十分有効であることを示すことが出来た。以上の成果はGenes to cells Vol. 18-7 in press(2013)に掲載される。
|
Research Products
(13 results)