2010 Fiscal Year Annual Research Report
藍色細菌における必須重金属イオンの細胞内濃度制御機構解明と環境改善への応用
Project/Area Number |
22510234
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森田 勇人 愛媛大学, 農学部, 准教授 (50274303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀則 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (60124682)
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Keywords | 藍色細菌 / SmtB / 重金属イオンセンシング / ゲルNMR / ゲルシフトアッセイ |
Research Abstract |
平成22年度は申請書における実施計画に基づき以下の研究を行った。 1.亜鉛イオンとの結合に伴うSmtBの構造変化の残余双極子相互作用値(RDC)計測による解析 亜鉛イオンの結合の有無に伴うSmtBの構造変化を多次元NMR分光法によるRDCの変化を観測することで解析するために、亜鉛イオンと結合していないSmtB溶液を浸潤させたポリアクリルアミドゲルを試料管に圧縮して封入したサンプルを作製し、RDCの計測を試みた。その結果、アクリルアミドゲル濃度10%、6mmφのアクリルアミドを5mmφ(外径)のNMR試料管(内径4.2mmφ)に圧縮して封入することでRDCの計測が可能(測定温度40℃)であることがわかった。この測定条件で、平成23年度は亜鉛イオンの結合の有無に伴うSmtBの構造変化の解析のためのNMR測定を計測して行う。 2.センサー部位とは異なる亜鉛イオン結合部位を変異導入により破壊したSmtBの機能・構造変化の解析 センサー部位のみに亜鉛イオンが結合するSmtBのモデル系として、第IVヘリクス(SmtB二量体形成部位)のヒスチジン残基に点変位を導入した変位SmtBを作製し、亜鉛イオンによるSmtBの認識塩基配列への結合活性の阻害効果をゲルシフトアッセイ法により評価した。その結果、亜鉛イオンのリガンドとして機能しているヒスチジン残基に点変位を導入した変位SmtBでは、亜鉛イオンによるSmtB-DNA複合体形成阻害効果が著しく減少することがわかった。また、亜鉛イオン添加に伴う変位SmtBの^1H-^<15>N HSQCスペクトル変化の観測においても、変位を導入していないSmtBより高濃度の亜鉛イオンの添加が必須であった。これらの結果から、SmtBの二カ所の亜鉛イオン結合部位への亜鉛イオンの同時結合が、DNA結合活性の低下に必須であることがわかった。
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Research Products
(3 results)