2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの開発=発展におけるパラダイム・シフトに関する総合的地域研究
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22510264
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
島田 周平 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90170943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 至 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60191938)
高田 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70378826)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アフリカの開発=発展 / 開発阻害要因 / アフリカの潜在力 / パラダイム・シフト / 総合的地域研究 |
Research Abstract |
本研究では、開発計画を失敗に導く阻害要因としての「アフリカ的特徴」の抽出を試みた。代表者の島田が社会的要因を、分担者の太田と高田がそれぞれ生態的、文化的要因を担当した。開発計画に関する研究書を渡渉する一方、開発計画に携わってきた専門家への聴き取りも実施した。そして、それらの阻害要因の理解を今後の開発計画に生かすにはどのような点に留意すれば良いかといった点も検討した。 島田は、アフリカの農村社会が村外での非農業諸活動にも大きく依存していることを明らかにし、これまでの農村開発計画が食料生産増大に比重を置きすぎていた点を指摘した。また農民の行動様式にみられる平準化や危険分散化指向、それと関係する社会的ネットワークの重要性についても述べ、これまでの開発計画がこれらの点を重視してこなかった点を指摘した。また農村社会における権力構造にも注目し、開発計画の推進のためには伝統的権威が担っている役割の評価が必須であることを示唆した。 太田は、乾燥地域で生きる牧畜社会におけるこれまでの開発計画が、植生や気候の変化に臨機応変に対応する牧畜民の常識を理解せず、移動性の確保や柔軟な社会組織といった特徴を正当に評価せず失敗してきたことを明らかにした。今後の開発計画では、牧畜民が持つこれらの特徴を抑圧せず、むしろ積極的にそれらを活用することの重要性を指摘した。 高田は、狩猟採集民社会にみられる知識や技術の伝統的再生産の仕組みを追究し、直接狩猟に役立つトレッキング活動はもとより、一見無関係に見られる歌/踊りの中にも知識や技術の再生産の仕組みが組み込まれていること、しかしながら最近の社会変容の中でその仕組みが機能しなくなってきている可能性を指摘した。他方、多くの開発計画が「進んだ」知識や技術の教育を導入によって現地リーダーを育成しようとして失敗しているという深刻な状況にあることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)