2011 Fiscal Year Annual Research Report
高校生男女の達成意欲における分極化と教師の支援のあり方に関する研究
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22510284
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大竹 美登利 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40073564)
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Keywords | 高校生 / ジェンダー / 達成意欲 / 教師 |
Research Abstract |
本年度は、高校生がどのような生活意識や規範、ジェンダー意識、自己像、卒業後の進路、卒業後の進路・職業希望等の将来像、達成意欲を形成しているのかを明らかにするために質問紙調査を実施した。とくに、家庭・経済階層、自尊感情等の自己像、学校環境によって、将来像や達成意欲そしてジェンダー意識が分極化していくことを検証することを計画している。 質問紙調査作成にあたっては、前年度に実施した高校教員へのヒアリング結果に加えて、東京都進路指導協議会事務局長に東京都立高校の進路指導体制についてヒアリングを実施し、質問紙の参考とした。また、分析の軸とする家庭・経済階層の質問項目や、ジェンダー意識をはかる項目について、先行研究を参考に慎重に検討した。教師と生徒の関わりについても、生徒の発達段階や学校特性から、本研究課題に先んじして実施した小・中学校段階とは異なることが見込まれるため、ヒアリング結果を参考にワーディングや質問内容を検討した。 調査対象校は、東京都内の高校11校とした。卒業後の進路状況を参考とし、大学進学中心、専門学校等進路多様、就職中心等、多様な高校を選定した。高校ごとに特徴を有するため、学校要覧を取り寄せ、教育目標等を検討した。現在、調査票を回収しデータ入力作業を行っているところである。 以上の調査結果の分析によって、高校生の男女のジェンダー意識や達成意欲の分極化と、現代の青少年のマスキュリニティ・フェミニにティ形成の多様性を考察することが可能となる。さらにこれら高校生の実態に対して、教師がどのように対応しているかを明らかにし、教育実践の改善の方策と教師教育の課題について議論することが次年度の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた東京都西部地域での調査実施が困難となったが、依頼先を広げた結果、当初計画していた規模以上の調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、教師対象の調査についても同様に実施する計画を立てていたが、交付された助成金額上、困難であることが判明し断念した。その代替案として、量的調査ではなく、ヒアリング等の質的調査に切り替えることで当初の目的を達成することとした。
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