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2014 Fiscal Year Annual Research Report

英国新実在論の成立についての哲学史的基礎研究

Research Project

Project/Area Number 22520001
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

中川 大  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40237227)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2015-03-31
Keywords新実在論 / ムーア / 判断論 / ラッセル / 記述の理論
Outline of Annual Research Achievements

ムーアの1999年の論文「判断の本性」について二方向から検討した。
いっぽうでは、ラッセルの記述理論の成立史のうちにムーア論文を位置づけた。その概要は、「ムーアは発狂していたのか」という表題で口頭発表し、発表原稿を研究成果報告書に収録した。そこでは、ムーア論文に対するライルの批評を手がかりとして、偶然命題についてのムーアの異常な見解がかれの概念一元論から帰結することを明らかにするとともに、そのような帰結を回避するためには、ラッセル的な「命題の構成要素と命題がそれについての命題であるところのそのもの」との区別が必要であることを示した。なお、初期ラッセル哲学においてこの区別が枢要をなすことは、研究代表者が2008年の論文「記述の理論はなにを変えなかったのか」において示したことである。
もういっぽうでは、ムーアの判断論が成り立つにあたって、ブラッドリーの哲学やカントの哲学が重要な役割を果たしたことを解明した。ムーアは、ブラッドリーの観念論哲学を批判することを通じて、経験論哲学とカント哲学が共有するドグマを剔抉する。それはつまり、概念を時間部分のうちにあるような存在者を指示することによって説明できると考える教説である。それはまた、ほんらい無時間的である概念を時間のうちにある事実に還元できるという臆断でもある。ムーアは「判断の本性」において、カントの超越論的演繹こそがそのような独断を排する方法であるはずだったのに、カントの哲学みずからがそのドグマにとらわれて徹底を欠いていると批判するのである。研究代表者は、研究成果報告書に収録した「判断の本性」の翻訳に解題を付し、ムーアのそうした目論見について解説した。

Research Progress Status

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] ムーアは発狂していたのか2014

    • Author(s)
      中川大
    • Organizer
      北海道哲学会・北海道大学哲学会合同研究発表会
    • Place of Presentation
      北海道大学
    • Year and Date
      2014-12-20
  • [Presentation] 意味体・仮説・文法―ブーヴレス『規則の力』を翻訳して2014

    • Author(s)
      中川大
    • Organizer
      北海道哲学会・北海道大学哲学会合同研究発表会
    • Place of Presentation
      北海道大学
    • Year and Date
      2014-12-20
    • Invited
  • [Book] ブーヴレス『規則の力』(翻訳)2014

    • Author(s)
      中川大、村上友一
    • Total Pages
      254+12
    • Publisher
      法政大学出版局

URL: 

Published: 2016-06-01  

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