2012 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における「神」の比較宗教史的研究―戦前から戦後までの制度と思想―
Project/Area Number |
22520067
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
奥山 倫明 南山大学, 人文学部, 教授 (30308928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 寿芳 南山大学, 付置研究所, 研究員 (00353095)
ROGER V Munsi 南山大学, 外国語学部, 准教授 (10565386)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 神道史 / 日本キリスト教史 / 教会論 / キリシタン / かくれキリシタン / 国家神道 |
Research Abstract |
本年度は代表者、分担者、研究協力者、さらに研究課題に関心をもつその他の研究者を含めて、近年刊行された基本文献についての連続研究会を開催し、近代日本宗教史における神の位置について検討を深めたほか、研究協力者の研究発表会も開催、さらに代表者、分担者による調査、研究発表等を実施した。 代表者による、近代日本宗教史における神道史、またそれとキリスト教史の対比については、近年の国家神道論の批判的検討を論文として発表したほか、国際学会における2回の発表を実施した。一つ目の発表では、神道史の位置づけについては、特に同じ文脈における儒教史の位置づけとの対比のなかでの特色を検討し、それぞれと「宗教」概念との関係について検討した。二つ目の発表では、日本キリスト教史における特色ある都市として長崎に焦点を当て、原爆投下の背景としての同地のキリスト教の状況とその後の対応のキリスト教的な側面について検討した。 また一人の分担者の研究においては、まず文献調査研究を主に、逢坂元吉郎の思想およびその射程域の闡明に努めた。特に今年度は逢坂の宣教活動における、教会形成に着目して、その教会論の独自性を明確化しようと試みた。 またもう一人の分担者の長崎県のキリシタン神社の研究においては、大祭礼の歴史と現状をふまえた上で地域社会の宗教観を考察することを目指し、キリシタン神社が各地でどのように受け止められているかを検討した。そこでは、長崎のキリスト教史の流れを背景に、次の三つの類型が明らかになった。すなわち、キリシタン神社の参列者は①初代のキリスト教共同体、②400年前(キリシタン時代)のミゼリコルディア(コンフラリア)、③潜伏キリシタン時代の250年の間、共同体の中(秘密組織)で信仰伝承を行ってきた人々であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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