2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会調査法に基づく寺社における御籤・神籤に関する思想史研究を中心とした総合的研究
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22520073
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
大野 出 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (60247418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朝 愛知県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10322778)
島田 健太郎 学習院大学, その他部局等, 講師 (30468433)
平野 多恵 成蹊大学, 文学部, 准教授 (60412996)
小平 美香 学習院大学, その他部局等, 講師 (90573139)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 思想史 / おみくじ / 元三大師 / 法華経 / 法華経御鬮霊感籤 / 女子道 / 神仏分離 / 和歌みくじ |
Research Abstract |
日本思想史学会(平成25年度大会)において研究代表者(大野出)のコーディネートのもと、「思想史としてのおみくじ」と題するパネルセッションを行った。 所謂おみくじについて思想史の立場から論ずるに際して、まず元三大師に対する信仰を避けては通れない。日本における、その大半に於いて元三大師への信仰がその裏打ちとなっているからである。まず島田報告において「元三大師」に対する信仰の中世から現在までの多様な広がりについて論じた。なぜ元三大師信仰が広まったのか等の疑問のもと、元三大師信仰の思想史的側面を考察する上での問題点を整理した。次ぐ芹澤報告では『法華経御鬮霊感籤』を中心に論じた。同書にある文言は第一番から第九十六番に至るまで全て『法華経』に拠っている。現在も修法されている同書に関わる事例も紹介し、元三大師御籤とは異なる系統の御鬮について、その特徴や日蓮教学との関係を示すことで、日蓮門下における御鬮の持つ意味合いを確認した。次ぐ平野報告では、日本独自の和歌みくじに注目し、その変遷をたどった上で、近代以降に増加した和歌みくじについて明らかにした。幕末、神道側から仏教や易占の影響を排除した独自の和歌みくじが意識的に作られた。そして明治の神仏分離により、和歌のおみくじが増加する。さらに明治末期には山口県において雑誌『女子道』刊行のために和歌のおみくじが作られるようになるのである。 最後に平野報告を受ける形で、小平報告では主として雑誌『女子道』について論じた。同書の刊行活動は、みくじと密接な関係をもち、神社を拠点としながらも、単に神道教化に留まらず、広く女性一般の教育、啓蒙をめざしており、また「雑誌」というメディアを活用したことは注目に値する。小平報告では『女子道』を近代女性誌の中に位置付けつつ、明治~大正期の女性の教育、啓蒙活動という側面からの考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者の協力により、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書にはなかったアンケートに協力いただいた寺院への礼状と調査結果を送付する。
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Research Products
(2 results)