2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520157
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
明木 茂夫 中京大学, 国際教養学部, 教授 (10243867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 肇子 東海学園大学, 人文学部, 教授 (20202319)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 張炎『詞源』 / 五声・七声・十二律呂 / 詞学・詞楽 / 宮調・犯調 / 工尺譜・応指譜 / 月建・月辰・十二支・十二子・十二次 / 均・調式 / 中国古典音楽理論 |
Research Abstract |
張炎『詞源』巻上は、中国南宋に於ける重要な楽律論の専著であるが、我が国ではその全編にわたる注釈や翻訳は未だ例を見ない。本研究は難解を極める『詞源』楽律論の各章について、その述べるところを解読し、詳細な訳注を作成することを目的とする。まず『詞源』歴代の各種伝本を収集し、文字の校勘、図表の比較を行い、基本となる底本を確定した。従来詳細が知られていなかった中国国家図書館所蔵明鈔本・南京図書館所蔵清鈔本について調査し、その内容を明らかに出来たことは一つの成果である。 続いてこれに基づき、思想的・理念的音階論から、演奏や歌唱に関連する実用的な宮調論に至る各章について、出典の確認、本文の解読、図表の解釈を行い、従来充分に解読できていなかった記述について、その述べるところを基本的に解読することに成功した。さらにそのデータを整理し、論文として発表し、また詳細な訳注を作成した。特に「律呂四犯」の「羽犯角・角帰本宮」の宮調命名規則を解明したこと等、いくつか新たな発見をなし得たことと自負している。同時に、これらの研究成果の閲覧を少しでも容易にするために、中国古典音階に於いて理論上成立する全ての調(宮調)を、同主調配列・平行調配列・調式別配列・三分損益順など、様々な方式で分類・配置した一覧表を作成し、訳注に別冊として付録することとした。 最終年度には、『詞源』巻上の内「五音相生」「陽律陰呂合声図「律呂隔八相生図」「十二律呂」「律呂四犯」「結声正訛」の各章の訳注、及び『詞源』巻上諸本異同表、解題、抄本紹介、国家図書館(北京)所蔵『詞源』明鈔本・南京図書館所蔵『詞源』清鈔本解題を編集して報告書冊子(全211頁)を作成し、これに別冊付録「音階一覧表」を付して、音楽関係の大学図書館や研究機関に配布した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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