2011 Fiscal Year Annual Research Report
ちりめん本「日本昔噺」シリーズの典拠と翻案及び出版版次の研究
Project/Area Number |
22520188
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
田嶋 一夫 いわき明星大学, 人文学部, 教授 (70044724)
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Keywords | 国文学 / ちりめん本 / 日本昔噺 / 説話文学 / 日本発信 |
Research Abstract |
第2年次(23年度)の研究は、ちりめん本「日本昔噺」』シリーズ(英語版)の各作品につき、 1.典拠.と翻案の実態を明らかにすること 2.版次・版種の識別の研究 の2点であった。 1においては、典拠の確認の難しいNo.12 "THE CUB'S TRIUMPH"(野干の手柄)とNo.13 "THE SILLY JELLY-FISH"(海月)の2点を中心に研究を進めた。 2においては、再版表記以降の3版から14版までの表記をもつテキストが未発見(未確認)であること。再版本以降の最初の版表記が確認できた物が15版であること。『八頭の大蛇』、『文福茶釜』の場合、15版が1917年に出版されていることが確認できた。テキストにより再版の年次は一定ではないが、再版以降15版までの期間は30年であることが明らかである。明治8年に出された出版条例を見ると、出版御届は30年間有効であることが確認できた。つまり「3版以降14版までは出版届けは不要であったが、この間も版管理が行われていた」との仮説を設定できる。今後はこの確認・実証が課題となる。 その他の問題として、ちりめん本の成立論が重要になってきた。これに対して明治初期の文化・教育状況が関わってくるので、この期における日本の昔話の紹介状況と英語教育との関係を明らかにする必要がある、この面の分析も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料調査の問題である。多くの時間を要するがここに十分な時間がとれなかった。しかし3年次は時間的余裕があるので十分補えると思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
従来とおり、しかしより多くの時間を取って着実に推進する。 今後の問題としてチームを編成して組織的な研究体制の必要性も痛感している。
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