2012 Fiscal Year Annual Research Report
観客論的視点から見た英国ルネサンス演劇のマルティプル・プロット構造の研究
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22520221
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 一隆 弘前大学, 人文学部, 教授 (10227126)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 英国ルネサンス演劇 / マルティプル・プロット構造 / 観客 / 劇場 / ヘンリー・メドウォール / 『ファルジェンスとルークリース』 / 劇場という世界と世界という劇場 / pageant |
Research Abstract |
本研究では、Henry Medwall のFulgens and Lucreを取り上げ、英国演劇史の観点からこの作品に決まって与えられる”the first English secular play”というレッテルを離れて、この作品が英国演劇史において最初に複合的な劇構造を採用した作品であることに着目して、この作品の劇構造の特殊性と普遍性について考察した。 具体的には、AとBが織りなす脇筋の猥雑なアクションは、単に主筋に添えられた喜劇的な息抜き(comic relief)などではなく、主筋の主題を観客の日常世界の事象に再現(represent)する機能を果たしていること、この作品の複合的な構造は”pageant”という言葉に凝縮されて示されていること、最後に”pageant”という言葉が、「世界という劇場」と「劇場という世界」が明確には区別されていなかった時代において持っていた、ある特殊な意味を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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