2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会科学系(政治学・国際関係学)分野における日本語教材開発に関する研究
Project/Area Number |
22520519
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
野田 岳人 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20372352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 史央 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (70340437)
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Keywords | 日本語教育 / 国際関係学 / 教材開発 / マルチメディア / ブレンディッド・ラーニング / eラーニング / Moodle / 社会科学 |
Research Abstract |
本研究の主題は、社会科学系分野において、日本語教育および教養教育で使用する日本語教材を開発するために必要となる技術や方法論を研究することである。eラーニング及びブレンディッド・ラーニングのシステムで運用するため、教材をマルチメディア化して、自習用(eラーニング対応)と授業用(ブレンディッド・ラーニング対応)教材の開発をする。23年度は、両システムに合致する試作教材の作成に着手した。その手順は、(1)専門教員が今日的トピックで読解用テキストを執筆する。(2)その読解資料の中の専門用語や特殊な概念などについて、専門教員へインタビューを行う。(3)読解用の補助教材として、録画されたインタビュー資料を解説用動画とアカデミック・タスク用資料に加工する。(4)Moodleなどeラーニング・システムを通じて、加工された補助教材を学生に提供する、というものであった。23年度は、(1)~(3)を中心に行い、いくつか試作教材が作成できた。 他方、これまでの作業について検討を行った。そこでの問題点は、読解教材の素材をどういうものにするか(コンテンツの検討)、インタビュー資料を解説用動画に加工する際、どのような観点から行うのか(補助教材の検討)、さらに、アカデミック・タスクとしてどのようなものを作成するか(テーマ発展型教材の検討)、であった。第一の教材の素材について、マルチメディア化に適するように内容や分量を改め、学生の関心が高い今日的なテーマとした。第二の解説用動画は、概念や語句の解説と、専門教員からのコメント・意見とを分け、前者は短く音声のみとし、後者は5分程度の動画で提供することとした。第三のテーマを発展させた課題について、課題を執筆者から提示してもらい、それについて、5分程度の解説やアプローチの仕方などを話してもらうこととした。これにより、日本語教員がこの教材を使用する際に感じる、専門分野における解説などの負担を軽減することが可能となり、より多くの場所で使用できる可能性が生まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作教材がいくつかできあがり、24年度に試作教材を実際の授業で用いることができ、さらに、学生の使用状況や教材の使いやすさ、教材の問題点などをレビューして、修正することもできるようになったから。
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Strategy for Future Research Activity |
半期(6ヶ月)に使用するために必要なコンテンツ数を10本として、その試作教材を作成する。24年度前期には、そのうちのいくつかを実際の授業で使用し、学生から教材についての意見や感想を求める。夏期休暇中に不十分な点を修正する一方、試作教材の数を目標の10本まで作成する。後期には、再び、試作教材(修正版)を使用して、授業を行い、再び、教材の問題点や不十分な箇所を検討する。ここまでの研究成果は、8月の日本語教育研究国際大会と2013年3月の専門日本語教育学会研究討論会で報告する予定である。
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Research Products
(1 results)