2012 Fiscal Year Annual Research Report
留学生の日本語学習に伴う脳機能変化の経年的研究と医療系日本語学習教材への応用
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22520521
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大北 葉子 東京医科歯科大学, 国際交流センター, 准教授 (10361726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克也 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (20251514)
松島 英介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50242186)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 漢字学習 / 非漢字圏学習者 / 空書 / 脳活動 |
Research Abstract |
非漢字圏日本語学習者(16人)、漢字圏日本語学習者(10人)、及び日本人(10人)を対象に漢字認知実験を2012年と2013年に行った。被験者はモニター画面上の視覚刺激が正しい漢字かどうかをキーボードを押して判断した。視覚刺激は五種類で、正しい漢字、曖昧漢字(図形的な間違いがある)、偽漢字(部首と旁の組み合わせが存在しない)、誤漢字(部首の場所が倒置されている)、ハングル文字であった。 日本人と漢字圏日本語学習者の誤漢字の正当率はほぼ100%であった。非漢字圏日本語学習者の場合、日本語能力の向上に従って、誤漢字の正当率が上昇した。誤漢字の正当率は漢字学習の上達の指標になる可能性があるとともに、部首の位置の学習の重要さが示唆された。曖昧漢字と偽漢字は日本人(曖昧漢字63%偽漢字88%)及び漢字圏日本語学習者(曖昧漢字60%偽漢字70%)のほうが非漢字圏日本語学習者(曖昧漢字37%偽漢字51%)より正答率がよかったが、100%ではなかった。日本人と漢字圏日本語学習者は漢字認識を間違っても文脈で補っていると思われる。 日本人2人と非漢字圏日本語学習者6人に空書が見られた。空書なし3人の非漢字圏日本語学習者は漢字と漢字様刺激(曖昧漢字、偽漢字、誤漢字)の区別ができていなかった。これは空書なし非漢字圏学習者は漢字の細部構造に注意が払われていないことを示唆している。空書なし非漢字圏学習者は漢字練習時に単に書き写しているだけだったかもしれない。空書は漢字学習の内在化の深さの指標になるかもしれない。 非漢字圏日本語学習者(1人)と中国人(1人)で前頭近赤外分光計を装着して単純コピーと音韻課題(「あ」から始まる漢字を書く)漢字の書き取りを行った。非漢字圏日本語学習者では二つの課題とも血液の上昇は見られなかった。漢字圏日本語学習者では音韻課題で上昇が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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