2011 Fiscal Year Annual Research Report
教育および就労の現場ニーズに基づいたエンジニア・ジャパニーズ教材の開発
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22520529
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 いずみ 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20211609)
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Keywords | 言語学 / 日本語教育 |
Research Abstract |
◎研究目的(平成23年度): 工学部・工学研究科を卒業した留学生が、技術者として日本企業で活躍するためには、どのような日本語力を身に付ける必要があるのか。技術者として活躍するために必要な日本語をエンジニア・ジャパニーズと仮称し、それをどのように構築すべきかを考える。そのために、日本企業に就職した留学生に面接調査を行い、彼らの問題意識の在り処を探る。また、日本語に関する簡単なテストをし、その結果を、在学中の留学生や日本人学生と比較することで、就労現場で日本語がどのようにブラッシュアップされたか、必要性を感じながらも放置されているのは何かについて考える。 ◎研究実施計画(平成23年度): 1.日本企業に就職した留学生へのインタビュー調査 2.簡易日本語テストの実施および比較(就職した留学生・在校中の留学生・日本人学生) ◎研究成果(平成23年度)および今後の活動(平成24年度): 任務を達成するための「協働力」、知識を「共有(する)力」、アイデアで他人を動かす「啓発力」をエンジニア基礎力と仮定し、調査を行った。そこから浮かび浮かび上がって来たものは、ビジネス文書を「日本語で書く」あるいは顧客や現場と「日本語で話し合う」ことが、彼らの仕事の中心となっている現実である。研究開発のフロンティア的な視点から提案したエンジニア基礎力の中身を、ブリッジ的なものへと変更すべきではないかと考えている。こうしたことを念頭に置きながら、平成24年度は、 1.インタビュー調査および簡易日本語テストの継続、および対象者の拡大。 2.大学の授業としてどのような形で支援していくべきか、その方法と教材の検討。を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
在学中にすでに信頼関係を築いている卒業生を中心にインタビュー調査したため、かなり本音に近い部分の話を聞くことができた。また、簡単な日本語テストを、卒業留学生・在校留学生・日本人学生に実施したことにより、比較すべき対象を設定することができた。以上2点が順調に進展したとする理由である。一方で、平成22年度(初年度)は震災と面接調査の時期が重なってしまい、十分な成果が挙げられなかった。平成23年度にその遅れを全て取り返すことができなかったため、「おおむね」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」でも触れたが、研究開発のフロンティア的な視点から提案したエンジニア基礎力の中身を、ブリッジ的なものへと変更し、すべきではないかと考えている。こうしたことを念頭に置きながら、平成24年度は、 1.インタビュー調査および簡易日本語テストの継続、および対象者の拡大。 2.大学の授業としてどのような形で支援していくべきか、その方法と教材の検討。を行う。特に、「2」について、就労現場でのニーズに鑑み、日本語入力により文章を作成したり、プレゼンテーション力を養成したりする上で有効な教材を検討していく。
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