2012 Fiscal Year Annual Research Report
教育および就労の現場ニーズに基づいたエンジニア・ジャパニーズ教材の開発
Project/Area Number |
22520529
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 いずみ 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20211609)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2014-03-31
|
Keywords | 工学系留学生 / 日本企業就職 / エンジニアジャパニーズ |
Research Abstract |
◎研究目的(平成24年度):工学部・工学研究科を卒業した留学生が、技術者として日本企業で活躍するためには、どのような日本語力を身に付ける必要があるのかを明らかにし、それに対応する教材を作成する。そのために、平成24年度は、技術者として活躍している留学生、特に海外の日本企業で活躍する留学生に面接調査を行うことを主たる目的として研究を行った。実際に活躍している元留学生技術者の生の声を聞き、それを元に教材を考える点に本研究の意義がある。 ◎研究実施内容:本年度の調査は大きく分けて二つのことを行った。一つは、元留学生技術者へのインタビュー調査である。特に、ベトナムおよびインドに進出した日本企業で、技術者として活躍している元留学生技術者に対し、面接による聞き取り調査を行った。当初、研究者が海外に出向いて調査する計画であったが、幸いにも、対象者の日本出張があったため、その時期を利用して面接を行うことができた。また、日本国内で就労している元留学生技術者にも面接を行い、資料の集積に努めた。本年度行ったもう一つの調査は、元留学生・現留学生・日本人学生(工学部)を対象とした日本語基礎力の調査である。これは初年度より継続して行っているものである。資料数を増やすことにより、それぞれの特徴のあぶり出しを容易にする。 ◎研究成果:日本企業で働くにあたり、大学・大学院時代に身に着けておく日本語力として、「書く日本語力の強化」と「プレゼンテーション力の涵養」が重要である。このことが、本年度、より鮮明になった。 ◎以上の研究に関する情報は、個人情報に配慮して取りまとめを行い、可能な限り、大学研究室のHPで公開している。平成25年度(最終年度)には、そのための教材の一部を公開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
在学中にすでに信頼関係を築いている元留学生を中心に面接調査を行ったため、本音に近い部分の話を聞くことができた。また、簡単な日本語テストを、元留学生・現留学生・日本人学生に対し継続的に行ってきたことで、その結果を比較し、留学生ならではの問題点をあぶりだすための資料が整ったと考える。 現在、平成24年度に収集した日本語基礎力に関するデータについては、ホームページでの公開に向け、順次整備している状況である。また、海外の日本企業で働く留学生への面接調査についても、プライバシーに配慮しながら、公開に向けた準備をしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、企業は留学生・日本人という枠を設けず、研究開発のフロンティア的な視点で、グローバルに活躍するエンジニアを求めている。こうした現状に鑑み、今後は、エンジニアジャパニーズの中身を、単に日本企業で働くだけのものから、よりブリッジ的なものへと変更すべきではないかと考えている。このことを念頭に置き、最終年度である平成25年度は、 1.面接および日本語力調査のまとめを行う。 2.大学の授業で用いることのできる教材の提案を行う。 ことを中心に、研究を進めたいと考えている。
|