2012 Fiscal Year Annual Research Report
災害復興の資源化とコミュニティの創出に関する民俗学的研究
Project/Area Number |
22520839
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Research Institution | 新潟県立歴史博物館 |
Principal Investigator |
陳 玲 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (10373474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 康夫 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20313489)
中野 泰 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (20323222)
池田 哲夫 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50313490)
田邊 幹 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (50373478)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 災害復興 / 帰村 / 資源化 / コミュニティ / 民俗文化 |
Research Abstract |
24年度は、それまでの用語検討を踏まえた上、各自設定した課題を中心に、補充調査を実施し、研究成果をまとめた。 岩野邦康氏が主に災害の「資源化」をめぐって、災害をめぐる多様な当事者性とそれぞれの資源について検討をした。そして、災害復興の資源化という切り口からは、池田哲夫氏が、中越地震の被災による水没家屋を見守る動きと地域再生の実態記録を実施した。飯島康夫氏が、「民俗が災害復興あるいは集落再生の資源として活用される」とし、中越地震によって被災した旧山古志民俗資料館所蔵の民俗資料の救出と活用の実践的な活動を通して、資料館民俗資料を地域の復興資源としてもつ意義について実践的な関わりを通じて考察を行った。また、災害復興という背景のなかで、とくにメディアによる影響に注目して、森行人氏が、中越地震の新聞記事を中心に災害復興における「資源」の用語について整理し、詳細な検討を行った。 事例収集と分析について、陳玲は、池谷集落と近隣集落におけるコミュ二ティの創出の実態、個人、集落、集落間、震災復興、行政などの相互関係作用から緻密に記録し、分析を行った。中野泰が、木籠集落を中心に、その被災、復興の実態を追い続け、主に「帰村」後創出された準区民の会を発展的に解消して成立した山古志木籠ふるさと会について、その組織と活動の実態を報告し、準区民の会との比較を通じて、参加型の集落支援組織の特徴を整理した。災害復興というプロセスにおいて、中山間地としての集落の厳しい現状を記録すると同時に、被災集落の資源化とその意味について考察した。また、三井田忠明氏が、中越沖地震の被災地である新潟県柏崎市宮川町を中心に、フィールド調査を実施し、災害によって形成された新しい景観の「空き地」から町内会の変化と復興の様相を考察し、「被災者の考える復興」について言及した。以上の研究実績は、研究成果報告書にまとめて刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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