2011 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖と中国・太湖における水環境比較民俗論と成果展示の企画
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22520840
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
楊 平 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸員 (50470183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
用田 政晴 滋賀県立琵琶湖博物館, 上席総括学芸員 (00359259)
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Keywords | 水環境 / 民具 / 湖 / 湧水 / 井戸 / 水辺 / 村落 / 暮らし |
Research Abstract |
本年度は、琵琶湖集水域と太湖における水環境保全について、調査・情報収集・資料整理・比較研究を続行した。特に、「水をめぐる利用・資源管理における暮らしと村落保全」の課題のもとに、フィールド調査主体の地域学の立場から、琵琶湖を含むアジアの湖沼環境変化とその対応についての検討を進め、新たな考察を行った。その結果、水環境の「コモンズ」と利用の仕組みが暮らしの中から形成され、そこに成り立つ水利用と管理に関する社会的規制も村落共同体と密接に関わっていることを明らかにした。 本年度の研究成果は、主として学会発表、論文発表等による公開を行った。その一部として、東近江市大塚集落の溜池をめぐる水利用及び高島市針江のカバタ湧水の利用については、「環境資源としての水を生かした村の実践」と題した査読論文として『日中社会学研究』に掲載された。そして、本の刊行(『東アジア内海文化圏の景観史と環境景観から未来へ』、昭和堂出版、分担執筆)、世界湖沼会議等の国際学会での研究成果の公表などを行った。 また、研究成果の一般公開として、これまでの研究対象の中心としてきた琵琶湖と太湖における水利用をめぐる暮らしたついて、2012年7月から「東アジアの水田漁労と水」と題した企画展示を開催する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
琵琶湖及び太湖周辺においてのフィールド調査においては、多くの地元村落の協力と周辺研究者の助言溝得られ、順調に進んでいることと、基礎的な調査図面の作成において、館内熟練関係者による製図等が円滑に行われていることにより、基礎的資料の整備がはかられていることによる。 .
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでの調査成果を具体的に企画展示のパネルや展示資料として早急に整備してとりまとめていく必要があり、7月までに多くの作業が残されている。これらは、研究分担者のみならず、企画展示担当者とを巻き込んだ体制で取り組み、図録等への研究成果の掲載と公開、そして刊行を実施していく予定である。 一方、引き続きフィールド調査においては、湧水などいくつかの重点項目を決定し、絞り込んで実施していく予定である。
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Research Products
(19 results)