2013 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖と中国・太湖における水環境比較民俗論と成果展示の企画
Project/Area Number |
22520840
|
Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
楊 平 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (50470183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
用田 政晴 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 上席総括学芸員 (00359259)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 水環境 / 湖 / 水辺 / 暮らし / 村落 / 民具 |
Research Abstract |
琵琶湖地域においては、長浜市海老江、長浜市木之本町川合、長浜市高山町堂来をはじめ湖北地区を中心にして、一部、湖東の彦根市西今町、近江八幡市浅小井町などの湧水・井戸調査記録の取りまとめを総括的に行った。現地での作成図面・実測図の製図、撮影映像の整理と複写、聞き取り調査の記録整備などを行い、総括的な文章を取りまとめたところでもある。 この過程で地域住民の生活・生業の中で利用されてきた水車・竜尾車・竜骨車・ゴイに代表される水利用民具についての使用状況調査も行い、琵琶湖博物館収蔵資料との比較検討も合わせて行った。特に、使用状況の聞き取りを詳細に行い、二次的な情報の確実な記録化に努めた。 中国・太湖でも井戸・カワトその他、関係水利施設の分布調査、運河・水路の分布と構造記録化、水利用民具の実態把握と一部収集調査を行うこととして、太湖東岸・北岸から長江下流域の高郵湖周辺にかけて行い、長江中流域の洞庭湖周辺にも範囲を広げて比較調査を実施した。また、伝統木造船は、太湖東岸と北岸において、きわめて伝統的な生活と生業を守り続けている家船生活者を中心に引き続き聞き取り調査と映像資料の記録化を図ってきた。 こうしたこれまでの調査情報を整理して、長江中流域、洞庭湖近くの湖南省長沙において年度末に開催された日中共同環境セミナーで発表し、琵琶湖の生活・生業における水環境の歴史的な普遍性と固有性の検討成果を公表した。また、それに引き続き琵琶湖博物館において「魚米之郷」と題した日中共同講演会を開催し、琵琶湖と太湖・洞庭湖における水環境比較調査の概要を発表し、ホール前においては一部資料の展示会も開催した。 次年度は、「魚米之郷-太湖・洞庭湖と琵琶湖の水辺の暮らし-」と題した大規模な企画展示を開催する予定で、そこでこれまでの研究成果を総括的に公表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地調査においては、現地の河海大学や無錫市人民政府などの関係者・関係機関、中国駐大阪総領事館などの理解も得て、多くの地域の人びとの協力のもと、実物資料や情報資料の収集が円滑に行うことができている。そして、そうした調査活動の一部は、中国及び日本においてもセミナーと講演会で発表し、展示も行うなど成果公表も順調に行えているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、来年度に琵琶湖博物館において7月から11月にかけて長期にわたって開催する企画展示「魚米之郷-太湖・洞庭湖と琵琶湖の水辺の暮らし-」にむけて、これまでの研究成果をわかりやすく取りまとめて、図録及び展示パネル等に加工して成果公表を図ることとし、あわせて企画展示を活用した形での新しい形式の講演会と行事を行っていきたい。
|
Research Products
(6 results)