2012 Fiscal Year Annual Research Report
CGEモデル、Gravityモデルによる我が国の自由貿易協定の再検討
Project/Area Number |
22530213
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小谷田 文彦 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00292136)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自由貿易協定 / Gravityモデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国の自由貿易協定による経済効果を適切な推計モデル(Gravityモデル、CGEモデル)により推計することである。現在における我が国の自由貿易協定に関しては、その相手国が少なく、また、歴史も浅いことから、研究の蓄積が不十分である。特にGravityモデルを用いた事後評価に関する先行研究が少なく、数少ない先行研究は推計上の問題を抱えている。本研究は、先行研究の問題点を指摘し、それを改善することにより我が国の自由貿易協定の評価を再検討することを目指した。 これまでの我が国の自由貿易協定に関する実証分析の大きな問題点は二点ある。一つは、Gravityモデルに使用される変数が内生的に扱われていないことである。例えば貿易量の大きさはその貿易財の市場価格に影響を与え貿易量を変化させる。しかし、これまでの素朴なGravityモデルにおいては、貿易量以外の変数はすべて外生的に与えられることが想定されていた。本研究においては、この価格の内生性を考慮した推計を行い、有意な結果を得た。もう一つの問題点は、Gravityモデルによる推計式がいかなるミクロ経済学的基礎も持たない点である。本研究による推計はこの点を考慮した先行研究を参考にして、経済理論的に適切なモデルの推計を行っている。 また、CGEモデルとGravityモデルは先行研究において、あたかも役割分担をするかのように使い分けられ、別々の論文で論じられている。しかし、これらのモデルは同一の経済環境に対する分析であるから、分析は一貫しているべきである。さらに言えば、原理的には両方のモデルで、事前予測、事後評価が可能である。本研究においては、これまで別々に推計されてきたCGEモデルとGravityモデルの結果を比較することであった。しかし、残念ながら、ここまでの分析は行うことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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