2011 Fiscal Year Annual Research Report
医療サービスの生産性向上による医師不足解消策の実現可能性に関する定量分析
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22530240
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
青木 研 上智大学, 経済学部, 教授 (70275014)
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Keywords | 医療サービスの生産性 / 生産要素間の代替 / 生産要素間の補完 / 医師の生産性 |
Research Abstract |
平成20年から始まった地域保健医療計画実施後のデータが出そろうまでに、コ・メディカルスタッフの業務拡充と生産性の変化、および、医療サービスの生産性分析に関する先行研究の文献研究を行い、その後、順次、生産性の変化に関する実証分析、および、実証分析の結果を踏まえて、シミュレーション分析を行う計画であった。しかし、実証研究に先立つ文献研究を継続して行った。 これは、本研究の主要なテーマの1つに、看護師など医師以外の医療従事者の増加や業務拡大が医師の生産性に与える影響の分析があるが、この「医師以外の医療従事者の業務拡大」に関して、今年度平成23年11月に大きな制度変更が有ったためである。 文献研究では、主に医師と他の医療スタッフとの間の代替可能性に関する先行研究、特に実証研究の展望を行った。先行研究によれば、医師と医師以外の医療スタッフとは必ずしも代替的とは限らない、医師と補完的な関係にある医療スタッフも多かった。特に、医師と看護師とが医療サービスの生産において補完的であるとする先行研究も存在した。 医師とある医療スタッフとが補完的である場合、その医療スタッフを増やすためには、医師も増やさなければならない。そもそも、医師以外の医療スタッフを増やすことで、医師不足に対応することが狙いであったのに、その医療スタッフを増やすことは医師不足解消策としては逆効果になってしまう。 日本のデータを用いた実証研究において、医師と他の医療スタッフとが代替的なのか補完的なのかについて注意深く検証していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「医師以外の医療従事者の業務拡大」に関して、今年度平成23年11月に大きな制度変更があり、追加的な調査結果・資料が入手可能になったため、追加的な事前調査を行うこととした。このため、今年度実施予定であった実証分析に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施予定であった、生産性の変化に関する実証分析を行う。さらに、当初の計画通り実証分析の結果を踏まえた、シミュレーション分析を行う。
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Research Products
(1 results)