2010 Fiscal Year Annual Research Report
金融環境の変化が企業規模分布に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
22530257
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
後藤 康雄 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 上席研究員 (00571192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70249910)
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Keywords | 企業規模分布 / カーネル推定 / コルモゴロフ・スミルノフ検定 |
Research Abstract |
(i) データ整理:「企業活動基本調査」、「工業統計」の個票データを用いて、企業規模分布の時系列的な変化を捉えるような形式にデータを整理。また、企業規模分布を説明する変数として、金融変数や技術条件変数などを併せて収集・整理した。金融変数としては内部資金など、技術変数としては最小最適規模(MES)などを使用。 (ii) 企業規模分布の推定と分布形の差異の検証:「企業活動基本調査」から抽出した異なる企業グループ(金融制約の強弱などで条件付け)の企業規模分布に関するノンパラメトリック推定を行い、企業規模分布の形状を把握。具体的には、1995年時点の規模分布が、企業の退出と成長を経て2006年時点でどのように変化したかを、コルモゴロフ・スミルノフ検定などによって統計に評価。退出と成長の両チャネルを通じた分布の変化を、統一的な枠組みのもとで比較することができた。 (iii) 実証結果の整理・解釈:金融制約が強い企業グループでは退出による影響が、制約が弱いグループでは成長による影響が大きいことが示された。同様に、技術条件も退出と成長に異なる影響を及ぼすことを確認。そうした状況の背後に働くメカニズムを考察。 (iv) 学会・研究会報告、ディスカッション・ペーパーの執筆、学術誌への投稿:日本応用経済学会春季大会(2010年6月20日、西南学院大学、産業組織セッション)において発表を行ったほか、経済産業研究所ディスカッション・ペーパー検討会を経て、ディスカッション・ペーパーを執筆。また、同論文をもとに専門学術誌への投稿を開始。
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Research Products
(2 results)