2011 Fiscal Year Annual Research Report
金融環境の変化が企業規模分布に及ぼす影響に関する研究
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22530257
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
後藤 康雄 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 上席研究員 (00571192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70249910)
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Keywords | 企業規模分布 / カーネル推定 / コルモゴロフ・スミルノフ検定 / 金融制約 |
Research Abstract |
(i)国際比較データ等の整理:前年度においては、当初計画より国内データの整理が進んだ一方、国際データの整理については、データ入手のタイミングの遅れから一部計画未達の部分があった。このため、本年度は特に国際データの整理に注力した。主要国の超長期時系列データを、概ね同一基準で横断的に整備した。この間、国内データを用いた分析についても、さらなる拡充を進めた。 (ii)わが国の企業規模分布に関する分位点の視点からの実証:個票データを用いて、企業規模分布の形状変化を、分位点ごとのシフト度合いによって観察する。今回用いるデータでは、企業の年齢や退出(ただし一定の解釈のもとで)も把握できるため、設立年を考慮した参入・退出・成長の視点を織り込んだ分析を行った。 (iii)経済メカニズム上の解釈:平成22年度の分析結果と比較しつつ、得られた実証結果に対する経済学的解釈を、国際比較的な視点、長期時系列的な視点をまじえつつ行い、わが国の企業規模分布の特徴を生じている経済的な背景要因を考察した。 (iv)研究発表・論文投稿:新たに作成したディスカッション・ペーパーを、経済産業研究所や参議院事務局における研究会で発表した。また、専門学術誌への投稿も開始した。 (v)前年度作成論文のリバイス・再投稿:平成22年度に学会発表した論文について、学会コメント等をもとに改訂して専門学術誌に投稿し、掲載許可された。また、やや視点を変えつつ英訳したバージョンについても投稿中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に専門学術誌1誌に掲載が決まっており、それも含め和文論文3本、英文論文1本を作成済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階でディスカッション・ペーパーとして公表している和文論文1本、海外専門誌に投稿している英文論文についての改訂を進める。また、新たな研究領域への展開をにらんで、従来とはやや異なる視点(イノベーション等)を織り込んだ研究の方向を検討する。
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