2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530264
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
大来 洋一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 客員教授 (70303089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PFAU Wade 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (00377128)
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Keywords | 年金財政 / ARIMA / コーホート要因法 / 出生率 / 死亡率 / 年金改革 / マクロ経済スライド / 税と社会保障の一体改革 |
Research Abstract |
Okita・Pfau・Long(2009)の人口予測についての研究を整理し、この論又を公表可能な形にした。その結果、これ,か査読付さの学会誌に掲載された。 次に、この人口予測と年金財政を結びつけるため、2004年のマクロ経済スライドの導入を含む年金改革の詳細を検討することに時間を費やしたが、現在、この2004年の年金改革が根本的に見直されようとしていたり、マクロ経済スライドが政治的に停止され、一度も発動されていない状況のもとでは、基準となるシミュレーションを構築するのが難しいことがわかった。そのため、これまでのところ、政府の「税と社会保障の一体改革」のゆくえを見守りつつ、のぞましい年金の在り方の提言につながる研究を模索してきたところである。 さらに、日本のケースにとどまらず、スリランカやカンボジアなど海外の例を用いて年金財政の問題を分析し査読つきの学会誌に発表した。 また、この間、人口問題と経済発展の関係をも視野に入れた世界各国の経済情勢の分析を共著で刊行した。 そのほか、前年に引き続き、人口の高齢化と財政問題の関連について数ヶ所で講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでは当面2004年の年金改革の線で進むと考えて基準のケースを作り、これに対していくつかのケースをシミュレーションすればよいと考えていたが、現在の政府の年金政策が流動的で、何を基準とすればよいかが揺らいでいる。このため、当初考えていた、年金財政についてのシミュレーションを行う、というねらいについては遅れが生じている。しかし、関連したテーマではかなりの研究成果を上げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も年金財政のシミュレーションを行うというねらいを保持しつつも、場合によっては我が国での人口予測の精緻化や、諸外国での年金財政の将来の問題をとりあげていくことも必要となるかもしれない。
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