2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミドルマネジャーの多様性と職場内コミュニケーションの「伝え方」に関する調査研究
Project/Area Number |
22530365
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥居 正樹 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (20363260)
|
Keywords | コンテクスト・パターン / プロトコル / 組織文化 / 多様性 |
Research Abstract |
本年度は、職場内におけるコンテクスト・パターンの全体像を把握する最初のステップとして、ミドルマネジャーと協働者とのコンテクスト・パターンに関する先行研究の整理とコンテクスト・パターンに関する定量的調査を行った。 先行研究においては、「伝え方」に対するコンテクスト依存度の変化に関する文献調査を中心に行った。具体的にはプロトコルに関する先行研究と組織文化の慣行に関する先行研究をレビューした。プロトコルに関する研究では、通信が成立するには2者を結び合わせるためのルールに則る必要があることを踏まえ、従来の研究ではインターフェイス(あるレイヤーから異なるレイヤーへの変換作業)の中に含まれていたプロトコルに焦点をあて、日本人に共通する特徴について検討を進めた。また、組織文化の慣行に関する研究では、Hofstedeによる価値観/慣行のバランスに関する議論を中心に検討を進めた。ここでは、同質的な国文化と企業文化の下での日本企業では、職種集団の違いが慣行の差異を生む要因であることを明らかにした。 コンテクスト・パターンに関する定量的調査では、人間関係、報告・連絡、相談、問題解決時におけるそれぞれの伝え方についてIT企業(1社)の全マネジャーを対象にアンケート調査を行った。その結果、マネジャーのコンテクストへの依存度は協働者の職位によって変わるだけでなく、伝える内容によっても差異があることが明らかとなった。つまり、コンテクストへの依存度は伝える人や内容によって異なる多重構造であり、その組み合わせのパターンは職種集団によって異なることが確認された。さらに、所属集団に合わせてコンテクストへの依存度を意図的に合わせる人の比率にも職種集団によって差異があることも明らかとなった。これらの結果を鑑みると、職種集団毎に独自のプロトコルが機能していることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)