2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミドルマネジャーの多様性と職場内コミュニケーションの「伝え方」に関する調査研究
Project/Area Number |
22530365
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥居 正樹 広島大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (20363260)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | コンテクスト・パターン / プロトコル / 組織文化 / 多様性 |
Research Abstract |
24年度は、前年度に調査した個別企業における職場内における「伝え方の型」(以下、コンテクスト・パターン:CP)の調査結果を基に、ソフトウェア開発企業に共通する特徴について検討を進めた。具体的には、職場内コミュニケーションにおいて高コンテクスト型/低コンテクストのいずれが用いられているか(あるいは混在しているか)に関する調査を基に、職種別と年齢別の2つの観点から分析を進めた。その結果、以下の2点が明らかとなった。 職種別の分析では、職種集団間のCPには組織の壁を越えた類似性があることを確認した。下地となる話題の内容(人間関係、報告・連絡、相談、問題解決)によって、たとえ同じ企業でも各職種集団は独自のCPを示す。しかし、マネジャーと協働4者との間における高コンテクスト比率(以下、HC比率)の傾向は、一部の例外を除いて職種毎に類似性があることが確認した。これは、協働4者の中でも特にコンテクストを共有する範囲が職種特性によって似通うことを示唆する。ただし、スタッフ部門では各社各様の傾向が示され、話題内容での問題解決では類似性が認められなかった。これらの例外は不確実性の高い調整業務が多いため、各社各様の最適化が進められているためと考えられる。 年齢別の分析では、HC比率は40代を底としてU字型に変化することが明らかとなった。これは、職場における経験時間が大きくなるほどコンテクストを豊富に蓄積し、そのコミュニケーションは線形的に高コンテクスト化する、との仮説に反するものであった。 これらの研究成果は、これまで検討されてこなかった職場内コミュニケーションの実態を解明する手がかりとなるほか、職種毎に部分最適化しがちなコミュニケーション・マネジメントのあり方に関する理論構築に貢献するものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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