2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530469
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
白 貞壬 流通科学大学, 商学部, 准教授 (60400074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 達郎 富山大学, 経済学部, 准教授 (40411467)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際フランチャイジング / 台湾外食業界 / 中小企業 / コンビニエンスストア / 創造的適応 / 海外進出 / 国際展開 / 小売業 |
Research Abstract |
本研究の実施計画として、平成24年度は平成23年度に引き続き、小売国際化論に関するこれまでの研究蓄積を踏まえた上で、適宜ケーススタディ及び日本・台湾・中国でのフィールドワークを本格的に実施することにした。特に、台湾の研究機関に所属している研究協力者からサポートを受けながら、インタビューを進めていた。 大きくコンビニエンスストア業界の国際展開と外食業界における中小企業の国際展開に焦点を当てながら、研究が進められた。まず、コンビニエンスストア業界の国際展開についての成果であるが、「コンビニエンス・ストアの国際展開と創造的適応:株式会社ファミリーマートを事例研究」と、「韓国CVSの成長とその社会経済的背景」という2本の論文が執筆された。前者は、ファミリーマートの台湾進出の事例を手がかりとして小売企業の国際展開には現地市場で事業システムを構築することが要求され、その過程では自らの強みを本国と異なる環境条件で発揮するためには創造的適応が要求されることを確認した。後者では、タバコ販売免許と営業権利金から出てくる韓国コンビニエンスストアの急成長は、脱サラの存在、独立小売商の成長の伸び悩み、そしてスーパー・スーパーマーケットの出店規制の適用外などによる量的拡大であった点であり、日本コンビニエンスストアの急成長とは質的にかなり異なっていることが明らかにされた。 次の研究成果として、「台湾外食業界における中小企業の海外進出」という論文であるが、国際的な事業を展開する人材に制約している台湾発の小規模な外食企業は、投資や雇用から生じるリスク負担を回避しながら、海外展開が可能となるFC方式を選択し、それをもって東南アジア市場に参入することで成長を図っていることが明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目に見える成果は少ないと思われるが、研究実施計画通りに理論研究の深化とフィールドワークの実施によるケーススタディは順調に進展しており、その成果は必ず平成25年度の研究実績に繋がると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、初期の理論研究、中期のフィールドワークを踏まえたうえで、実証研究に向けた分析枠組みの構築を目指していく。 本来、理論化を進めやすい定性的なアプローチである事例研究において、複数ケーススタディの実施を計画していたが、ほとんど外資系企業であるためにインタビュー依頼やデータ集めが困難な状況である。まずは、できるだけ海外の研究協力者とのネットワークを広げ、リサーチイシューにしたがった仮説的構成概念を導出し、それにしたがってリサーチサイト上の複数企業に半構造化インタビューをし、データを集める。必要に応じては、調査対象企業に対して、定量的なアプローチで理論的仮説を検証しながら、定性的アプローチからの問題点を補完していくことにする。
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