2010 Fiscal Year Annual Research Report
「家族」となることの実践:乳幼児の家族相互行為参加の組織
Project/Area Number |
22530511
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高木 智世 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00361296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 里咲子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (80344844)
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Keywords | 家族相互行為 / 会話分析 / 乳幼児 / 相互行為参加 / 身体的資源 |
Research Abstract |
本研究では、相互行為場面における多様な資源がどのように子どもの家族相互行為への参加を可能にしているのかを実証的にとらえるために、子どもと養育者の実際の相互行為場面を録音・録画によって記録し、音声・視覚情報を精密に転記したトランスクリプトを作成した上で、厳密な分析手法によって事例分析を積み重ねる。平成22年度は、データの収集と整理に重点をおき、会話分析を専門とする大学院生2名を新たに研究協力者(辻村剛 筑波大学、権賢貞 筑波大学)に加え、データの収録と転記を進めた。また、すでに利用可能なデータや本年度新たに収集したデータの一部について分析を進め、その結果を、関心を共有する研究者とともに討議する場として「子どもの相互行為分析研究会」を発足した。22年度中に2回の研究会を開催し、参加者の間で大変活発で有意義な議論が行われた。この研究会活動は、今後も、データ分析の向上もしくは研究成果の発表の場として続けていく予定である。また、3月には、会話分析研究を国際的に主導する研究者の一人、Gene Lerner氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)を招へいし、分析力を向上するための会話分析上級者対象のセミナーを開催した。東日本大震災直後で悪条件が重なる中、精力的な3日間の集中セミナーが実施された。セミナーの焦点の一つは、相互行為参加者の身体的ふるまいの分析方法であった。家族相互行為場面における身体的資源の組織を分析の対象に含める本研究にとって大変関連の深い内容であり、研究代表者高木と研究協力者権は受講生としても全日程参加し、多くの示唆を得た。
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