2010 Fiscal Year Annual Research Report
構築主義的な質的調査法の標準化と多面的開発のための共同研究
Project/Area Number |
22530515
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中河 伸俊 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (70164142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 学 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10273062)
苫米地 伸 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80466911)
山本 功 淑徳大学, 社会学部, 准教授 (10337694)
工藤 宏司 大阪府立大学, 人間社会学部, 講師 (20295736)
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Keywords | 社会構築主義 / 質的調査法 / テキスト作成 / 言説分析 / レトリック / アーヴィング・ゴフマン / 教育・若者問題 / 排除/包摂 |
Research Abstract |
今年度の成果の第一は、標記研究課題についての、20名以上の研究者が参加した全国レベルの研究会を3回開催したことである。第1回の「構築主義を再構築する:質的リサーチ法としてのSCの定着を目指して」(2010年8月10日・11日、於東京大学)では、佐藤雅浩(日本学術振興会)の「精神疾患言説の比較歴史社会学」、林原玲洋(首都大学東京)の「意味の流動性と役割の転換:J・R・ガスフィールドのレトリック分析・再考」、團康晃(東京大学大学院)の「中学校における文化をめぐるエスノグラフィー」の3報告があり、歴史的な言説分析やレトリック分析、エスノグラフィーの方法上の再構成のための検討作業を行った。第2回の「構築主義の再構築と排除/包摂問題」(2010年12月5日、於東京大学)では、稲葉浩一(相模女子大学)の「責務としての『生徒理解』」、Tuukka TOIVONEN(オックスフォード大学)の「Constructionism and the Logic of Youth Problems」、北田暁大(東京大学)の「可視化しえない排除?」の3報告に基づき、教育問題、システム理論における「排除」概念、日本の若者問題のロジックについての考察を深めた。第3回の「アーヴィング・ゴフマンの相互行為秩序研究と構築主義」(2011年2月22日、於大阪府立大学)では、速水奈名子(神戸大学)の「社会学的思考における状況理論への転換」、芦川晋(中京大学)の「役割距離から読んでいくゴッフマン」、永井良和(関西大学)の「『ふつうの外見』概念からのびた道のり」の3報告を契機に、ゴフマンの方法論を構築主義的な質的調査に生かす可能性を探った。 第二に、研究分担者それぞれが、喫煙(苫米地)、ひきこもり・不登校(工藤)、犯罪不安(山本)といったテーマについて調査や資料収集、理論的研究を行った。第三に、富山や大阪、京都などでローカルレベルの構築主義関連の研究会を開いた(計4回)。第四に、以上から得られた知見を、構築主義的な質的調査法に関する論集(テキスト)にまとめてゆく準備を進めた。今年度は、論集の執筆者、構成、出版社、スケジュール、各章のテーマについての企画をほぼ固めることが出来た。
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Research Products
(8 results)