2011 Fiscal Year Annual Research Report
ライフストーリーセンター構築によるストーリーの社会学的研究
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22530519
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
塚田 守 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (80217273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横家 純一 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (80135277)
川又 俊則 鈴鹿短期大学, 人文社会、教育系, 教授 (40425377)
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Keywords | ライフストーリー / 自分史 / インタビュー / 語り |
Research Abstract |
本研究は、個人が自らの言葉で綴った「自己のライフストーリー」インタビューによって聞き取られた「他人のライフストーリー」を収集しデジタル化した上で、分類、インタデックス化することで、ライフストーリーのアーカイヴ化を構築し、一般に公開するためのライフストーリーセンターを創設することを目的とした。 平成22年度は、ライフストーリーセンターとして、「ライフストーリー文庫~きのうの私」(https://blog.sugiyama-u.ac.jp/user/mamoru/spoken/index.html)を平成23年3月に創設し、まず、平成22年度「自分史的エッセイ」8編に23年度は6編加え、14編の「自分史的エッセイ」が公開されている。また、「語られたストーリー」平成22年度の6編に平成23年度は4編加え、10編の「語られたストーリー」が公開されている。この公開されたものは、研究担当者が担当する社会学およびライフヒストリー研究の授業で使われて、受講生に対して、人々の「生の声」を読むことの意義を教えることに役立つと同時に、それぞれの授業で刺激を受けた学生が「自分史的エッセイ」を書き、自己のライフストーリーを振り返り分析することに効果を上げている。次に、このホームページへのアクセス分析によると毎日30ほどのアクセス件数があると報告されている。この数字自体では、ライフストーリーセンターとして十分な公開をしているとは言えないが、昨年よりはアクセスされていると思われる。よって、平成24年度も掲載ストーリーを増やすことで、アクセスが増えることが期待される。第3に、ホームページの掲載分類の更新を行い、ライフストーリーセンターとしての魅力を高めるように努めている。今年度「テーマシリーズ」「研究論文」という分類を設け、前者は、一定のテーマに従いシリーズでストーリーを掲載していくことを開始している。また、本研究を推進している研究者が書いた論文を掲載し、ライフストーリーセンターが研究交流の場としての意義を高める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度は個人のホームページにライフストーリーセンターを設立し、研究分担者たちがその時までに行った「自分史的エッセイ」と「語られたストーリー」の編集、校正を行い、掲載した。平成23年度は、1年間のみで「自分史的エッセイ」6編、語られた「ストーリー」4編を収集し、編集校正し掲載している。また、テーマシリーズでも4編の「語り」を掲載できている。本年度の経験から、毎年10編以上を追加することが期待されている。さらに、「研究論文」の分類を新規に作成したことで、今後、研究交流の場としての機能も大きくなるであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査を行い、それぞれをストーリー化する作業は、相当な時間を要するもので、年間で収集できる数が予想以上に少ないという問題がある。今後、共同研究者がそれぞれ、数名ずつインタビューを行うことで、年間10人程度のストーリーを掲載したいと考えている。また、授業で行っている「自分史エッセイ」の収集については、受講者全員のものを掲載するには至ってないが、受講者からより多くの許諾を受け、より多くを掲載する方向で考えている。「自分史的エッセイ」の質的な評価をしながらの編集、校正作業は相当の時間がかかるので、これも今後の課題としてある。最初のストーリーの分類として、「グループで語る」「グループで書く」を作っていたが、グループでの聞き取りをストーリーとしてまとめることの困難さと許諾のむずかしさから、この分野でのストーリーの掲載は中止することにした。その代わりに、「テーマシリーズ」と「研究論文」の分類の設置により、本来の目的である、ライフストーリーの共有とその発信、研究交流という目的をさらに追求するつもりである。第4点目として、投稿を募集してしたが、実際には、現在のところ投稿はない。極めて個人的なストーリーを投稿することへのためらいがあるという現実問題があるが、センターの存在意義が認知されたら、投稿される可能性があると考え、24年度も投稿サイトを維持することにしている。
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