2010 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸大橋が地方都市に及ぼした影響に関する時間的比較研究
Project/Area Number |
22530552
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥田 憲昭 大分大学, 経済学部, 教授 (60123585)
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Keywords | 瀬戸大橋 / 坂出都市圏 / 社会動態 / 都市圏の拡大 / 空洞化 / 幹線道路の整備 / 商圏 / 市町村合併 |
Research Abstract |
瀬戸大橋が開通して22年が経過した。この間瀬戸大橋は、香川県側の諸都市、とりわけ海橋のまちとなった坂出市やその周辺町村に多大の影響を与えた。その影響は都市圏の変化、住民生活や地域コミュニティの変容、まちづくりの変化として現れている。本年度は坂出都市圏を取り上げ、その変化と原因、その影響を明らかにすることを目的とした。 坂出都市圏として坂出市・宇多津町・旧飯山町・旧丸亀市を主に取り上げた。このほか丸亀市と合併した旧綾歌町も都市圏の範囲を明らかにするため分析の対象として取り上げた。まず、国勢調査報告に基づき主に瀬戸大橋が開通する直前の昭和60年から平成22年までの坂出都市圏を形成する市・町の人口推移を明らかにした。これによると坂出市の人口は昭和50年の67,624人をピークに減少し続け、平成22年10月においては55,631人(国勢調査速報)にまで減少した。一方、坂出市周辺の宇多津町・旧飯山町・旧丸亀市の人口は増加し続けている。坂出都市圏の拡大に伴い坂出市の空洞化が進行していることを証明するため、この間における各市・町の自然増減と社会増減の推移、流入・流出による昼間人口の推移を取り上げた。そして、瀬戸大橋の開通に伴う幹線道路の整備は、坂出市から周辺町村への転入、周辺町村から坂出市への流入に拍車をかけた。 坂出都市圏の拡大と坂出市の空洞化は、坂出市にさまざまな影響を及ぼした。その影響として、1.坂出市の少子高齢化、2.坂出市中心商店街の衰退の加速化、3.丸亀市郊外大型店の進出、4.市町村合併への影響を取り上げた。
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